職員給与10%削減…函館市 財源不足で行革案
update 2011/10/19 10:21
函館市は18日、12月1日から職員の給与と期末手当(ボーナス)を一律10%削減し、退職手当を本年度10%、来年度以降20%削減する方針を明らかにした。市独自の給与削減措置は初めてで、退職手当の削減も道内初となる。市は今月中にも市労働組合連合会(市労連)との交渉を開始し、11月中に臨時市議会を招集し条例改正案を提出する考え。
同日公表した「財政の中期的な見通し」(2011〜18年度)で明らかにした。函館市はこれまで、人事院勧告に準じた給与の引き下げを行ってきたが、厳しい財政状況を受けて独自削減に踏み切る。
財政見通しによると、市の一般会計は現行制度に基づくと、本年度で35億5800万円、来年度で52億6700万円の財源不足が生じると予測。13年度以降も50〜43億円の赤字が出ると見込んでおり、18年度までの累計赤字額を372億円とみている。
このため、すでに行っている市長給与の50%カットに加え、12月から一般職員の給与を10%、特別職(副市長、教育長、企業局長、常勤監査委員)で20%削減し、本年度に8億円、来年度に24億円を生み出すほか、15年度まで土地開発基金を取り崩して対応する。
給与のほか、来年度から7年間で現業職員の不補充などで210人を削減して18年度までに222億円、これに事業仕分けや新たな行革プランに基づく事務事業の見直しを加え、計331億7000億円の財源を捻出する考え。給与削減は14年度まで行い、15年度からは地域の民間企業と整合性を持たせた給与体系に改める。
本年度はまた、臨時財政対策債を含む地方交付税額が当初予算比で7億3069万円、前年度比で14億8963万円減少したことを受け、退職手当債を当初予定の22億円から10億円に圧縮して借り入れる見通し。
市の給与カットはこれまで、人事院勧告に準じた額のみにとどまっていた。工藤寿樹市長はこの日開かれた定例会見で、10%の根拠について「道内の他の自治体では3〜5%が主だが、財政を考えるとその程度ではカバーできない」と説明。退職手当債の借り入れに関しては「基金をすべてつぎ込めば、来年度以降の予算がまったく組めなくなる。(当初予定の)22億円を埋める財源が出てこなかった」と述べた。
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