北斗市出身のバドミントン・佐々木翔選手 悲願の五輪へ加速

update 2011/10/17 10:28


 北斗市出身でバドミントンナショナルメンバーの佐々木翔選手(29)が、2012年7月に行われるロンドン五輪の男子シングルス(単)に出場できそうな勢いだ。現在、男子単の世界ランキング9位で、関係者は「五輪でシード権も期待できる」と評価する。これまで2度、あと一歩で出場できず、3度目の挑戦で悲願達成に向かう佐々木選手は「出場しメダルを獲得するために、さらにランクを上げたい」と闘志を燃やしている。

 ロンドン五輪のバドミントン競技は、12年5月に発表される世界バドミントン連盟のランキングに基づき出場者が選考される。ランキングのポイントは11年5月から12年4月までに各国で開かれる大会の成績で与えられる。大会規模によりポイントは異なるほか、五輪では単やダブルス(複)など1種目に出場できる国の人数が決められているなどの要素はあるが、単は男女とも約30人が出場できる。男子単のランキング保持者は約800人。

 佐々木選手はこれまで、ランキング対象の8大会に出場し、10月6日現在9位。男子複でアテネ(04年)、北京(08年)と2大会連続出場を果たしたナショナルチームコーチの舛田圭太さん(32)は「男子単で10位以内は日本人初だと思う。驚いている」と話す。これまで10位台の選手はいたが、壁を越えられなかった。

 佐々木選手は幼少からバドミントンを始め、五輪出場を目標としてきた。上磯中卒業後、関東一高(東京)へ進学、インターハイなどで優勝し、社会人となってからは世界ランキングの上位に名を連ねたが、アテネ、北京とも、わずかの順位の差で惜しくも出場はならなかった。

 転機は2009年、舛田さんも所属していたトナミ運輸(富山)への移籍。国内トップレベル選手がそろうチームで、練習、世界大会出場の環境が向上した。さらに、舛田さんらの紹介により、自身に合ったトレーナーと巡り合えた。肉体、精神とも研ぎ澄まされ、プレーも円熟さが増してきた。トナミ運輸の荒木純監督(45)は最近の成長について「動きに鋭さが増し、攻守のバランスが取れゲームコントロールがうまくなった。プレーへの集中力は抜群だが、試合に入る気持ちもしっかりしている」と話す。

 佐々木選手の今年3月のランキングは29位だった。同チームの今泉勉総監督(62)は「ランキングレースが始まったころ、中国の強豪選手を何人か破って大きなポイントを獲得したことが効いている」と話す。中国選手を倒した実績は他国の選手にプレッシャーを与えた。佐々木選手の父敬悦さん(51)は「高校時代、中国人との練習でプレースタイルを学んだ。今、それを生かし、攻略できている。翔は出会いが良い方向に向かう運を持っている」と話す。

 16日に札幌市内で開かれた日本リーグ・JR北海道戦の単で、竹村純選手(29)を破った佐々木選手は試合直後、18日から始まるデンマークオープン出場のため成田空港(千葉)に向かう多忙さ。「まだ五輪レースは半年ある。最近は自分のプレーを研究されているが、それを乗り越え、ランキング6位を目指したい。地道にやってきた自分を応援してほしい」と決意を語った。舛田さんは「五輪は入賞することが第一。そのために今の順位に満足せず、常に挑戦者として一つ一つの試合を大切にしてほしい」と期待する。

 敬悦さんは「五輪に出場してほしいという私の目標に向かい、挫折する場面を乗り越え、今、その夢に現実味が出ていることにお礼を言いたい」と話す。地元北斗市内では、見えてきた五輪に向けさらなる応援をしようと、後援会の設立準備を進めている。

提供 - 函館新聞社


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