漁獲全魚種に拡大 南かやべ定置網協会
update 2011/10/15 11:31
水産資源と海に優しい漁業を応援する「マリン・エコラベル・ジャパン(MELジャパン)」(事務局・大日本水産会)の生産段階認証を取得した函館市南茅部地区の南かやべ定置漁業協会(野村譲会長、11経営体19か統)の認証対象が、漁獲全魚種に拡大されることになった。14日、市南茅部支所で審査機関の日本水産資源保護協会(東京)から野村会長に認証証書が授与された。「待ち」が基本の定置漁業が資源を枯渇させないとして、魚種を制約する必要がないと判断した。
今年5月に認証対象魚種となったのはスルメイカ、サケ、カラフトマス、ゴマサバ、マイワシ、マサバ、サンマ、スケトウダラの8種(申請20種)。今月6日にMELジャパンの判定委員会が開かれ、全魚種を含めて再審査した結果、対象魚種を限定しないことが認められた。4〜12月に漁獲される約120魚種が対象となる。資源保護協会の下村政雄専務理事は「定置は待っているだけなので回遊魚の半分も捕れず、残りは逃している。資源を枯渇させず、持続的に利用できる」と強調した。
この日は、野村会長に証書とMELジャパンの旗が手渡され、野村会長は「定置の神髄が認められ、うれしい」と笑顔を浮かべた。改行 授与に先立ち、南茅部水産加工協同組合(米田澄一代表理事、12企業)主催の流通加工段階認証に関する説明会が同所で開かれた。次のステップの流通加工段階認証について理解を深めようと、6月に続いて開催、約30人が耳を傾けた。
全日本漁港建設協会(東京)の長野章会長(公立はこだて未来大名誉教授)が、条件が一部緩和されたことを説明。「小売業者が認証を取得しなくても、委託によりエコラベルを張ることが可能になった」と話した。地元の仲買人や加工業者が流通加工段階認証を取れば、届け出により売り先の小売業者にエコラベル添付を委託できる。
南かやべ定置漁業協会は5月16日付で、適切な水産資源管理に貢献していると評価され、定置漁業では全国初の生産段階認証を受けた。同地区では現在、流通加工段階認証を取得した例はない。
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