経費30%減 部局に要望…市財務部
update 2011/10/14 11:00
函館市財務部は来年度の予算編成に向け、備品購入などの一般経常費や政策的経費において、予算要求基準を本年度予算額から30%縮減するよう各部局に要求した。本年度の普通交付税が大幅に減ったことや、工藤寿樹市長が赤字穴埋めのための退職手当債を借りないとする方針を受けての対応で、事業仕分けや職員の給与カットなど、内部努力を強化して財源不足を乗り切る考えだ。
市は毎年度の予算編成にあたり、各部局に対して歳出規模の膨張を防ぐ観点から予算要求基準を前年度計上額から10%削減するよう求めてきたが、来年度に向け、これを30%に引き上げる。一般経常費は備品購入費や負担金、報償費、旅費、公債費、使用料・賃借料などが該当し、光熱水費や燃料費、委託料は本年度から5%縮減を求める。
各部局には予算要求に際して事業の目的や効果、必要性の検討とともに、新規事業に関しては既存事業の廃止や見直しなど、いわゆる“スクラップ・アンド・ビルド”を求める。市財政課によると、一般経常費と政策的経費が予算に占める割合は本年度ベースで4・4%と低く、「市民サービスに直接影響を与えるものではない」とする。
要求縮減の背景にあるのは、市の厳しい財政状況。本年度当初予算は扶助費が増加し、市長選を控えた義務的経費中心の骨格予算ながら過去最大の1310億円を計上。約34億円の財源不足は基金の取り崩しや退職手当債22億円の発行で穴埋めする計画だったが、4月に就任した工藤市長は退職手当債を発行しない意向を示している。
加えて、本年度の地方交付税額は人口減少や東日本大震災が影響し、当初予算比で7億8200万円、昨年度比では約18億円減少した。工藤市長は8月の定例会見で「今の状況では、組んだ予算を2割残してと通知せざるを得ない」と述べ、さらなる歳出抑制を示唆していた。
手元には約18億円の基金が残っているが、市財政課は今回の措置について「退職手当債を借りないために基金を崩すより、内部努力で穴を埋めたい。将来のまちづくりのためにも一定程度基金を残したい」と話している。
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