エゾシカ肉人気、五島軒がカレーなど

update 2011/10/12 10:13


 函館の老舗レストラン「五島軒」(若山直社長)が8月から販売しているエゾシカ肉料理が好評だ。肉は道猟友会函館支部のハンター渋田喜徳さん(64)が提供する函館産で、おいしさや珍しさから観光客らに大人気。農家の食害を防ぐ狙いもあり、関係者は「『食わず嫌い』の人も一度は召し上がって」と呼び掛けている。

 渋田さんは3年前から、エゾシカによる農業被害を減らそうと、「くくりわな」を使って殺さずに捕獲し続ける。廃棄処分するだけのシカ肉を有効活用しようと、今年1月に市立函館保健所の認可を受けて食肉処理場(米原町)を建設。息子の孝さん(33)が販売業務を担い、今年7月、五島軒への提供が決まった。

 8月から末広町の同店本店でライスなどが付くセットメニューのカレー(1200円)やハンバーグ(同)など5点を販売開始。くせのない味が人気を集め、同月中は全メニュー60点のうち、カレーセットの売れ行きが7番目になるほど。

 9月上旬に売り出したレトルトカレー(420円)も、同月末に1000袋以上の在庫がなくなるほどの人気ぶり。現在、本店のほか、市内の土産売り場など10カ所で販売中だが、同店の若山央専務は「この2カ月間の需要は大きく、函館の新名物になる可能性も出てきた。全道展開を目指したい」と意気込む。

 市農務課によると、エゾシカの食害被害額は昨年度2731万円で、捕獲数とともに年々増加傾向という。喜徳さんは「駆除だけでなく農家の経営をも守る取り組み。捕獲数は今後も増えるだろうが、需要に供給が追い付かないのが現状。わなを仕掛ける地元農家の協力が増えれば」と期待。孝さんも「函館の食文化の一つとして定着するようにしたい」と話している。

 同店本店では、10月中はカレーセットとハンバーグを提供中。問い合わせは同店TEL0138・23・1106。

提供 - 函館新聞社


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