道南杉、冬スポーツに活用
update 2011/10/12 10:13
札幌市在住のクリエーティブディレクター北島健一郎さん(34)が森町姫川の製材会社「ハルキ」(春木芳則社長)とともに、道南杉を使用した「サリヴァンボード」の普及を進める活動をしている。スノーボードのように雪上を滑る雪板で、スギ材を自由に削って製作。木材の質感やぬくもりを感じながら「作る」「滑る」「工夫する」などの楽しみ方をまとめた新たなウインタースポーツとして提案するとともに、北海道の豊富で良質な木材資源の普及拡大にもつなげたい考えだ。
北島さんは札幌で「クリエイティブオフィスQ─CONTROL」の代表を務め、北海道の住宅やライフスタイルを発信するフリーマガジン「SENtenCE(センテンス)」の発行を手がけている。住宅用建材として、道南杉を取り扱う春木社長(61)との出会いや、カナダ、長野県などでハンドメードの雪板が流行しつつあることを知り、仲間のプロスノーボーダーらとともに、今春からプロジェクトをスタート。英語で森林や森の住人を意味する「サリヴァン」と名付けた。
道南杉は耐水性があり、軽量で丈夫な木材。春木社長は「かつては漁船の建材として使用されるなど優れた木材だったが、いつしかその良さは忘れられていった。スギ材のPRにもつながる」と話す。同社商品企画課長で道認定の「木育マイスター」鈴木正樹さん(38)は「木育は、小学生や幼児など低年齢向けのテーマが多いが、雪板づくりは中高生向けの木育活動にもなる」とする。
使用する板は長さ120センチ、厚さ5センチほど。決まった形はなく、かんなで自由に削り、形を整え、世界で1つだけのオリジナルボードを作ることができる。スノーボードとは違い、足を固定するバインディングがなく、乗りこなすには技術が必要となるが、子どもがソリの代わりに滑ったり、インテリアとして室内に飾ったり、楽しみ方の幅は広い。北島さんは「削り方を知っている人に聞いてみたり、親子や仲間と一緒に作業をすることで、コミュニケーションを図ることができる」と話す。
今後、ワークショップの開催や、環境への配慮から板1枚につき、森町内にスギの苗を1本植樹する活動も進めることにしている。北島さんは「木に触れたり、木を使って遊ぶ機会は少なくなってしまった。地元にある木材の良さを知ってもらう機会にもなれば」と話している。
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