客に支えられ13年 今月末で閉店「食陶楽 郷」

update 2011/10/10 10:48


 函館市松陰町の喫茶店「食陶楽 郷」が、10月末で閉店する。店主の阿部静枝さん(61)が体調面の理由から決意し、13年の歴史に幕を閉じる。一枚板で作った大きなテーブルと手作りの陶芸作品、ほの暗い照明とジャズが静かに流れる店内。常連客からは閉店を惜しむ声が上がっている。

 10代の頃から、陶器と一枚の板を使ったテーブルを置いた喫茶店を開くのが夢だったという阿部さん。全国各地の窯元を訪ね、皿やティーカップなどの陶芸作品をコツコツ集め続け、その数3000点以上。「食器は料理を引き立てる大事なもの。一つ一つに愛着や思い入れがある」と話す。

 カフェなどで食べ歩くことも好きといい、独学で調理法など、レシピを研究。看護師、専業主婦を経て、長年の夢だった喫茶店を1998年にオープンさせた。バターの風味漂うヘルシーな豆腐ハンバーグをメーンにした「郷食膳」は、四季折々の野菜を踏まえた煮物や和え物など創作料理が並び、その品数の多さや盛り付け、味の深さが人気。そのほか、和風オムライス「ミモザ」や、たっぷりのホイップクリームがつくウインナーコーヒーなど、幅広い世代がその味を求めてきた。

 また、客の年代に合わせ、茶碗の大きさやカップを変えて提供する心遣いや、客の要望に応えた料理提供などのもてなしが、口コミで広がっていった。13年間通う常連客は「本当に残念」と閉店を惜しむ。

 阿部さんは「13年間支えてきてくれたお客さんに、感謝の気持ちでいっぱいです」と話し、「閉店最後まで、心を込めて料理やコーヒーを提供していきたい」と笑顔を見せる。

 閉店に合わせ、同店の食器を格安で販売。「数に限りがあるので、お早めに」と話している。営業時間は午前11時半〜午後10時。水曜定休。TEL0138・56・7112。

提供 - 函館新聞社


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