森づくりで防災対策、宮脇・横浜国大名誉教授が講演
update 2011/10/8 12:11
【上ノ国】世界的な植物生態学者の宮脇昭・横浜国立大名誉教授が7日、上ノ国町で講演し、東日本大震災を教訓に、大津波や火災などの災害から住民の生命や財産を守る防壁として、地域の環境に根差した命の森づくり≠全国で進めるよう呼び掛けた。
総合福祉センターで開かれた講演会には、上ノ国中の生徒を中心に約200人が参加した。被災地で森林の被害を調査した宮脇さんは「地域固有の樹木は大津波にも耐え抜いた。阪神淡路大震災でも火災の拡大を防いだ」と強調。その上で、被災地に残された大量のがれきで海岸周辺に土堤を築き、固有種を中心にした植樹を進めることで、大津波から市街地を守る防潮堤として活用するよう力説した。
宮脇さんは「根が浅い針葉樹では効果が薄い。地域に根差した広葉樹を植樹すれば大津波の衝撃を緩和できる。住民や家屋が引き波でさらわれる危険性も減る。沿岸部に植樹を行うことで、海には森がはぐくんだ豊富な栄養分を供給できる」とした。
同町は、宮脇さんの指導により、日本海沿岸の森林復活を目指して、町内で採集したドングリから育てた苗木の植樹を進めている。
8日午前10時からは、生徒らも参加する植樹祭が同中周辺で行われる。宮脇さんの指導でカシワなどの苗木約5000本を植える。
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