木古内出身の西山さん 寒中みそぎがきっかけで神職に
update 2011/10/6 12:02
16歳から4年間、木古内町寒中みそぎの荒行を経験したのを機に、神職を志した同町札苅出身の西山智史さん(26)が、今春から北海道神宮で研さんを積んでいる。3、4の両日には、函館市椴法華地区で開かれたみそぎ研修に臨み、「古里の道南で鍛錬できる幸せを感じた。木古内寒中みそぎで体験した感覚を思い出し、やる気がみなぎってきた」と意気込んでいる。
西山さんは木古内高校卒業後、国学院大学で神道を学び、東京の神社で4年間過ごし、今年4月に北海道神宮の権禰宜(ごんねぎ)となった。実家が神社などではなく、一般家庭で育ち「木古内の寒中みそぎで出会った神主さんたちに憧れてこの道を選んだ」という。
木古内の佐女川(さめがわ)神社には、1831(天保2年)から伝わる神事「みそぎ祭(さい)」がある。毎年1月に若者4人が行修者となり、境内で水ごりを重ねて、極寒の海でご神体を清める。古里の豊漁豊作、安全・繁栄を祈願するものだ。
西山さんは幼少からみそぎに触れ、実際に荒行を体験したことを誇りに感じている。「真冬の水ごりはつらくてつらくて言葉にならないが、だからこそ得られるものは失いにくい。木古内の素晴らしさが詰まっていると思う」と振り返る。
椴法華での研修では、人一倍大きな声で祝詞を奏上して海中みそぎに臨んだ。社務所での講義でも背筋を伸ばした正座を崩すことなく、講師である北海道神宮総務部長の角田秀昭さんの指導、言葉に聞き入った。
研修最終日早朝、夜明け直後の海で心身を清めた。冷え込みで木古内寒中みそぎを思い出したという西山さんは「初心を忘れずに北海道神宮でしっかり頑張っていきたい。木古内町の寒中みそぎがいつまでも続くことを願ってもいる」ときっぱり。
みそぎ研修を見守った椴法華八幡神社の役員、鈴木幹男さん(76)と佐々木義雄さん(70)は「神主さんたちが真剣にみそぎをする姿が地域を盛り上げてくれる気がしてならない」。角田総務部長(55)は「彼は若いながらも、あれだけのみそぎができるのは立派。己のけがれをはらうだけでなく、地域の発展や安全を思う気持ちも強い。期待の星ですよ」と評価している。
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