漁獲額9・5%減177億円 昨年の函館市 主力イカ不振
update 2011/10/6 12:02
函館市は、昨年1年間の水産物の漁獲高をまとめた。函館、戸井、恵山、椴法華、南茅部各地区の合算数量は7万1183トンで前年並みだったが、金額は前年比9・5%減の177億6436万円で、2年連続の200億円割れとなった。主力のイカは数量が減って魚価が跳ね上がったが、スケトウダラやコンブの価格が低迷し、減少につながった。
イカは数量が2万2988トン(同10・7%減)と、2007年(4万1375トン)の約半数にまで落ち込んだが、金額は63億3638万円(同18・1%増)に回復。地区別数量では函館が1万4155トンと前年から横ばいで推移、戸井、恵山で前年を上回ったが、椴法華と南茅部は統計が残る2001年以降最少だった。金額は5地区いずれも前年を上回っている。
道南でのイカ漁は当初、日本海側を北上した群、その後は太平洋側を北上した群、さらに道東から南下した群へと移る。道立函館水産試験場によると、昨年前半(6〜8月)は水温が低く、北上が遅れたことに加え、その後急激に水温が上昇。「晴天続きで、海面と下部との温度差が激しかった」とする。10月以降の後半も、太平洋沿岸を回遊するイカの南下が遅れ、津軽暖流の流れが東北寄りとなったことが原因とみている。
このほかの魚類ではサケが数量で同64・3%減の1782トン、金額で同34・4%減の7億2591万円と不振。市水産課は「当初の予報は良かったが、海水温が高く推移した影響をまともに受けた可能性が大きい」とみている。スケトウダラは1万2379トンと2年連続で1万トンを超え、1月下旬には国が定める漁獲可能量(TAC)に達した。金額は7億2591万円で前年の65%にとどまり、解禁直後から豊漁が続いたことで魚価が下がったとみられる。
一方、コンブは市全体で5094トン、60億5400万円でともに前年を下回っている。総量の約7割を占める南茅部地区では3479トン(同2・9%減)、39億200万円(同22・7%減)だったが、南かやべ漁協は「例年天然コンブの取れ高に左右されるが、昨年はまずまずだった」と話す。今年は9月末までに漁を終えており、同漁協は「繁茂状態は悪くなく、天然ものは昨年を上回るのでは」と期待している。
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