北大「おしょろ丸」乗船実習に活用…岩手・宮古水産高に無償貸与

update 2011/10/2 10:26


 北大水産学部(函館市港町)は、東日本大震災の影響で実習船が解体され、乗船実習ができず困っていた岩手県立宮古水産高校(宮古市)に対し、同学部の練習船「おしょろ丸」(1396トン)を無償貸与し、3〜6日の乗船実習に活用してもらう。乗組員が生徒に海上実習の指導もする。同校は「漁業実習が継続できる」と、大学側の最大限の支援に感謝している。

 北大が震災後、おしょろ丸で乗船実習を支援するのは今回が初めて。同校によると、宮古水産、久慈東(久慈市)、高田(大船渡市)の3高校が使用していた県所有の共同実習船「翔洋(しょうよう)」(135トン)が、宮城県石巻市の造船所で係留中、津波により陸に打ち上げられたため、7月にやむなく解体。宮古水産高では翔洋に替わる実習船を探していたところ、北大のおしょろ丸の情報を得て人数も多く乗れることなどから、北大側に働き掛け、受け入れが決まった。

 実習するのは、海洋技術科の1年生38人と2年生11人の計49人。教諭2人と翔洋の船長1人の計3人が引率する。生徒たちは漁業者や船舶職員として必要な技術を身に付けるため、岩手沖でのイカ釣りなどの漁業実習や海洋観測、操船、船橋(せんきょう)・機関室当直、魚肉ソーセージ作りなどに取り組む。おしょろ丸の乗組員30人のうち、教員免許を持つ5人が生徒を指導。大学院生3人も乗船してサポートする。

 燃料代や飲料水代などの実習経費も負担する北大水産学部は「代船のめども立っていないと聞いており、最低3年間は支援したい」とする。同校の熊谷正樹副校長は「水産高校の教育の柱の一つである乗船実習に、震災で大きな支障をきたしていたが、北大の温かい支援で実習が継続でき、大変ありがたい」と話している。

 おしょろ丸は2日に函館を出港、3日に宮古港入り。7日に帰港予定。

提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです