旅で健康「一石二鳥」 ヘルスツーリズムで東京の健保組合が視察
update 2011/9/30 10:12
「健康」を観光に―。旅行を楽しみながら健康増進を目指す観光スタイル「ヘルスツーリズム」の可能性を探ろうと、健康保険組合連合会(東京)の城南地区方面会(44社加盟)の代表者16人が28日、視察のため函館入りした。参加者は西部地区を観光ガイドとともに散策する「まちあるき」を体験。市も健診を組み合わせた函館観光の新たな切り口をアピールしている。
沿道のナナカマドが色づく秋晴れの大三坂。観光ガイドの案内で石畳の坂道をゆっくりとを歩いた参加男性は「車では見過ごしてしまいそうなことも知ることができ、おまけに歩いて健康になれば一石二鳥」と好感触だった。
同方面会は都内大田区と品川区にある企業の健康保険組合員で構成し、加盟者数は家族を含め約64万8000人。健康意識の高まりや、内臓脂肪型肥満(メタボリック症候群)の特定健診などの受診率が低迷していることを受け、「健康旅行」という新機軸を打ち出そうと視察に訪れた。
今回は同方面会の日本航空健保組合の田口創一郎事務局長の函館勤務の経験から候補地として白羽の矢が立った。市側も市内・近郊に医療機関が充実していることや、健康志向にマッチした食や温泉、街歩きなどの観光資源をPRし、新たな需要を掘り起こす狙いで全面協力した。
一行は1泊2日の日程で同日午前に羽田から空路で函館入り。初日は昼食後、市内元町の教会群や坂道をボランティアガイドとともに歩いて巡った。夜には函館山からの夜景も見物し、29日には七飯町大沼でゴルフやノルディックウオークなどを思い思い楽しんだ。
28日には旧イギリス領事館で市観光振興課の小笠原聡課長が連泊型の滞在観光の一つとして2泊3日のヘルスツーリズムのモデルコースを提案。初日は元町散策や地元食材の夕食を堪能し、2日目は七飯町内の病院で午前中に健診し、午後から大沼周辺でゴルフやカヌーなどを楽しむ。3日目に健診結果の報告を受け、夕方に東京に戻る。
参加者からは「ドックでは食べ物や運動に制限が出るのでは」「温泉と医療を組み合わせられないか」と活発な意見が出され、市は今後、受け皿やメニューの拡充を図る考えを示した。田口事務局長は「従来の物見遊山ではなく、旅行するにも健康づくりという大義名分ができる。函館は東京から1時間余りで、ヘルスツーリズムの候補地としては魅力的」と話していた。
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