縄文文化 肌で感じる「交流センター」1日オープン
update 2011/9/27 10:54
函館市南茅部地区に道内唯一の国宝「中空土偶」を常設展示する「函館市縄文文化交流センター」(臼尻町551)が10月1日、オープンする。周辺の92カ所の遺跡群で発掘された縄文時代の石器や土器など約1200点を展示。26日には報道機関や観光関係者向けの内覧会も開かれ、縄文文化を発信する新たな観光拠点として期待が高まっている。
同センターは2009年10月に着工し、総事業費は6億7600万円。鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は1733平方メートルに上る。併設する道の駅「縄文ロマン南かやべ」には24時間利用できるトイレや、道路情報端末なども備える。
外観は「縄文と現代をつなぐ時の流れをイメージした」(市教委)という流線形の木目のコンクリートが特徴。メーンとなる1階の展示室には自然と共生した縄文人が漁業や狩猟など日常生活で使っていた土器や石皿、漁網などを並べ、漆やヒスイなど交易品も数多く紹介している。
「中空土偶」は照度や温度が管理されたコーナーにあり、「満月をイメージした」(同)天井からの柔らかなスポットライトの光が幻想的な雰囲気を醸し出す。このほか、亡くなった子どもの足形をかたどったとされる「足形付土版」など、命を大切にした縄文の精神を伝える展示室もある。
2階の体験学習室では、市埋蔵文化財事業団の職員が講師となり、ミニチュア土器づくりや縄文ペンダントづくりができる。多目的スペースからは眼下に今年2月に国史跡に指定され、世界遺産の暫定リスト入りを目指す「垣ノ島遺跡」が広がり、その先に縄文文化を育んだ太平洋を望むことができる。
26日の内覧会では、市教委文化財課の阿部千春参事が案内役を務め、生と死の循環をイメージした展示のコンセプトや出土品の歴史的価値などを解説。阿部参事は「縄文文化は日本人の精神の象徴。一人でも多くの方に日本の古き良き心を感じてもらい、縄文文化を核とした観光拠点としたい」と語った。
視察した五稜郭タワーの中野晋常務は「南北海道の貴重な財産である縄文文化を分かりやすく紹介していて、外国人にも受け入れられそう。広域・周遊型の函館観光にとっても大きな弾みとなるのでは」と話していた。
10月1日は午前11時25分からオープンセレモニーを行い、一般入場は同35分ごろから。入館料は一般300円、高校生や大学生、函館市外の小中学生は150円、市内の小中学生と幼児は無料。開館時間は午前9時から午後5時(11〜3月は午後4時半まで)。月曜休館。
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