犠牲者の冥福祈る 洞爺丸台風事故
update 2011/9/27 10:53
【北斗】1954年9月26日に発生した洞爺丸台風事故の犠牲者をしのぶ慰霊法要が26日、北斗市七重浜の「台風海難者慰霊碑」で開かれた。全国各地から遺族や関係者70人が参列し、秋晴れの下、犠牲者の冥福を祈った。
洞爺丸台風事故では、青函連絡船「洞爺丸」と4隻の貨物船が台風15号による突風や高波で沈没し、乗客・乗員1430人が犠牲となった。
法要は、青函連絡船遺族会(渋谷武彦会長)と函館市仏教会、JR北海道、北斗市が中心となって毎年行っている。今年も函館市仏教会の僧侶が読経する中、慰霊碑前で参列者が焼香し手を合わせた。
あいさつした渋谷会長は「大惨事を風化させず、遺族会のメンバーが元気なうちに次の世代に思いを伝えていかなければならない」、富樫淳次副会長も15歳で船員の父親を亡くした経験を振り返り「苦難を乗り越え、大きな幸せを求めずとも皆と同じ生活ができるようになった。東日本大震災で犠牲になられた方の手本だと思っている。毎年この日を苦難を乗り越えてきた日として供養を続けたい」と語った。
佐賀県から毎年法要に参列する、唐島佳仁さん(60)は「ここに来ると、ほっと安らいだ気持ちになり、犠牲になった母親と弟、おばへの思いを落ち着かせている」。函館市美原の崎田トシさん(87)は「34歳の夫、6歳の長男、31歳の義理の弟を亡くしたときの絶望感は計り知れず、人前に出たり、笑うこともできなかった。いま長生きし、時を経てようやく振り返ることができる。来年も必ず元気で法要に来たい」と話していた。近くの七宝寺でも法要を行った。
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