「咸臨丸」終焉140周年記念式典、全国から関係者集いサミット

update 2011/9/25 10:35


【木古内】幕末の軍艦「咸臨(かんりん)丸」が木古内町のサラキ岬沖で座礁、沈没してから140周年を迎えたことを記念したイベントが24日、同町で開幕した。記念式典や同艦にゆかりのある全国各地の自治体から関係者を招いた「咸臨丸全国まちづくりサミット」を開催。参加者は沖合に今なお眠る同艦へ思いをはせるとともに、歴史的な価値を全国に発信し関係団体同士の絆を深めることを確認し合った。

 イベントは、同艦をまちづくりに結びつけようと活動する住民団体「咸臨丸とサラキ岬に夢見る会」などの主催。同艦の歴史的な価値の見直しのほか、節目の年に関係地域との縁をさらに強めようと計画した。

 式典はサラキ岬で行われ、来賓を含め約250人が参加。花火12発の追悼砲や献花で同艦をしのんだ。同会の久保義則会長が「これからも咸臨丸の歴史性とサラキ岬の豊かな自然を生かした拠点作りに取り組んでいきたい」と式辞を述べた。建造国のオランダからは駐日大使館のバス・ヴァルクス文化・報道官が来町。「きょうみなさんが集まったのは出港の準備のため。もう一度、咸臨丸に乗り込もう」とあいさつした。

 式典終了後、会場を町中央公民館に移し、サミットが開かれた。宮城県白石市や子孫の会、木古内町など6団体の代表が、「各地域の咸臨丸など歴史文化を核としたまちづくり」をテーマに意見交換した。

 最後に、関係地域が文化や人の相互交流を促進することやサミットの継続開催、同艦の歴史の調査を行うことなどを盛り込んだ共同宣言文を採択。参加者らは「同艦を縁とし、新たな航海に出よう」と会議を結んだ。

 25日は午後1時半から町民手作りの朗読劇「永久(とこしえ)に、咸臨丸」の公演がある。入場無料。

提供 - 函館新聞社


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