輸出は徐々に回復…函館税関、震災影響まとめ
update 2011/9/22 10:09
函館税関は、管内貿易(北海道と北東北3県)への東日本大震災の影響をまとめ、21日に発表した。輸出は東北工場の被災で生産が減少したが、港湾機能とともに徐々に回復。輸入は道内港が被災港の機能を肩代わりして一時、取扱量が増加したり、東北日本海側で火力発電所がフル稼働したが、目立つ影響はなく増加傾向だった。佐野郁夫税関長は「秋は水産物輸出が高まる時期のため、今後の輸出動向を注視したい」とした。
「貿易統計から見た東日本大震災後の北海道・北東北の経済」で、同日行った定例記者会見で公表した。同税関は道内と青森、秋田、岩手の東北3県を管轄しており、震災がこの地域に与えた影響を分析した。
分析によると輸出入の推移は、輸入は震災直後に八戸で鉄鋼が大きく減少するなど北東北が大きく落ち込んだ半面、道内は増加。ただ苫小牧からの自動車部品輸出は、関連工場の被災で5〜6月に大きく減少した。ただこれらの状況は8月にはほぼ例年並みに戻った。
輸入は、道内は震災前後を通じて前年を上回り、北東北は震災後から5月までは対前年比減となったが、その後増加傾向にある。釧路は4月以降、飼料や石炭、ウッドチップの輸入が増加。八戸は3〜5月に対前年比大幅減となるも、優先度の高い飼料原料の取り扱いは早期の復旧で前年並みを堅持した。
秋田船川港は原発の運転停止などから火発がフル稼働した影響で、燃料となる原・粗油や重油が大きく増加。同港は他の品目でも輸入が増えていることから、佐野税関長は「太平洋側の港湾の肩代わりをしている」とみる。
函館港では、船舶の増減による影響が大きく、震災の目立った傾向は確認できなかった。
このほか被災した港湾の復旧状況について、道内は函館の駅前・ベイエリア地区、釧路の港湾地区全域など5カ所で冠水する被害があったが、すべて復旧済みであることを確認。東北は、八戸が4月から暫定供用中で2011年10月に普及工事を開始し、13年年度末まで完成を予定。宮古や釜石、大船渡も12年度末までに工事を終える見通しであると伝えた。
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