「マタイ受難曲」市民有志が挑戦…来月16日に公演

update 2011/9/20 12:29


 函館・近郊の市民有志らが、西洋音楽史上の最高傑作とも言われるJ・S・バッハ作曲の「マタイ受難曲」を10月16日に函館市公民館(青柳町12)で披露する。演奏技術が難しいため市民らの挑戦は道内でも珍しく、練習ピアニストを担う函館のチェンバロ奏者、森洋子さんは「人間の心に訴える力を持った名曲。一度聴いてみてほしい」と呼び掛けている。

 公演のきっかけをつくったのは、首都圏ではこの作品の公演に出演しているという函館出身の声楽家、鳥海寮(とりうみ・つかさ)さん(テノール)=東京在住。昨年1月、「生まれ故郷でぜひ一度、(「マタイ受難曲」の)演奏会ができれば」と森さんに呼び掛けたことから、森さんらが合唱愛好家の共演者を募り、今年1月から本格的な練習をスタートさせた。

 「マタイ受難曲」は、新約聖書「マタイによる福音書」の26、27章の、弟子の裏切りによって捕らえられ、十字架に貼り付けにされて死んでいく、キリストの最後の場面を描いた物語。バッハはこれを2部構成全68曲に作曲。劇的な展開をたどる音楽と詩で普遍的な人類のドラマを表現しており、語り手である福音史家(エバンゲリスト)とキリストを軸に、オーケストラ、合唱などで演奏される。

 今回は約40曲を抜粋した小規模編成の公演。函館・近郊からは次藤正代さん(ソプラノ)、千田彩さん(同)、関口美香さん(アルト)といった声楽家を中心にした「マタイ受難曲を歌う会」20人が混声4部合唱を披露する。アリア「主よ、私をあわれんで下さい」や二重唱「こうして私のイエスは今とらわれた」などが聴きどころで、日本語の字幕も用意する。

 鳥海さんは指揮をしながら福音史家を、鳥海さんの音楽仲間である声楽家の中川郁太郎さん(バス)=東京在住=がキリスト役を務める。オーケストラの代わりは鳥海さんの妻でピアニストの丸田千晶さん=同=が担う。

 森さんは「抜粋とは言え函館では数十年間は披露されたことはない」と話し「今回を皮切りに、ゆくゆくはオーケストラを伴った大規模編成で再公演ができれば」と夢を語る。

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 演奏会は午後2時から約2時間。前売り2000円(当日500円増)。問い合わせは事務局の関口さんTEL080・3265・7762。

提供 - 函館新聞社


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