仏料理の名店「イリュージョン」、今月末で閉店
update 2011/9/17 10:47
函館市白鳥町の人気フランス料理店「イリュージョン」が、9月末で閉店することになった。先進国首脳が集うサミットで供された料理を再現するなどさまざまな企画を打ち、函館の料理界を盛り上げた同店だったが、オーナーシェフ岩城浩司さん(60)が体力の衰えなどを理由に店をたたむことを決めた。閉店までの間、通常2万1000円のコース料理を半額の1万500円で提供している。 同店は、東京やパリの有名ホテルでシェフを務めた岩城さんが2001年5月、地元函館に戻って開店。当初は1日2組限定の高級店だったが、4年目からは手ごろなランチなども加えた。
2008年には洞爺湖サミットに合わせ、82年にフランスで開かれたベルサイユサミットの晩さん会で、実際に各国首脳が味わったコース料理を再現して話題を集めた。昨年もベルサイユサミットでの別メニューを再現するとともに、当時の総料理長を招いて“味の共演”を繰り広げた。
若者を指導しながら毎日厨房(ちゅうぼう)に立っていた岩城さんだったが、今年4月に還暦を迎え、体力面で疲れが見えるように。「完成度の高い料理が出せなくなるのならば…」と閉店を決めた。
今後は東京に拠点を移し、妻の和子さん(59)が営む輸入雑貨店の業務に専念する。古里で過ごした10年を振り返り「あっという間だった。閉店も多くのお客様が惜しんでくれ、料理人冥利に尽きる」と話す岩城さん。店では料理教室も開いており「延べ100人近い生徒が来てくれた。教えたレシピを、各家庭などで役立ててもらえれば幸い」と笑う。
閉店に合わせて用意したコース料理はフォアグラや和牛のほほ肉、マツカワガレイなど高級食材をふんだんに使った10品を提供。その日仕入れた食材によって内容は変わる。岩城さんは「まだ余裕があるのでぜひ予約を」と話している。問い合わせは同店TEL0138-40-3588。
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