義援船ありがとう!…久慈の児童が漁協にお礼 

update 2011/9/16 11:10


 岩手県久慈市立荷軽部(にかるべ)小学校(小保内=おぼない=悟校長、児童16人)の5、6年生5人が15日、修学旅行で来函し、東日本大震災で被災した同市漁協に磯舟228隻を無償提供した函館市漁協(橘忠克組合長)にお礼をした。子供たちは「久慈の漁業はほぼ元通りになった」と感謝し、今後は「函館の漁師も頑張って」とエールを送った。

 5年生2人と6年生3人のほか、引率の長谷部友春教諭の計6人が市漁協を訪れた。児童代表が、感謝の気持ちを書いた全員のメッセージカードと、学校の炭窯を使い児童が作った炭飾りを、市漁協の高谷広行専務と函館市水産課の芝井穣課長に手渡した。

 同課職員から義援船が贈られた経緯などを学んだ後、高谷専務が「同じ漁業者なので気持ちは一緒」、芝井課長が「中には自分の使っている船を提供してくれた人もいた」と函館側の思いを強調。子供たちは「もらった船で久慈の漁師にはもっと頑張ってほしい」と笑顔を見せた。 また、函館と久慈の漁業の違いも聞き、子供たちは真剣にメモを取っていた。

 6年生の田代光君(12)は「修学旅行でお礼が言えてよかった。函館の支援があらためてありがたいと思った」と話していた。

 修学旅行は1泊2日の日程。この日は小田島水産食品(弁天町)も訪れた。子供たちは両市の共通点である漁業をテーマに事前学習を重ね、函館から義援船が贈られたことを知った。出発前には同校で学習会も開き、義援船提供のきっかけとなった77年前の函館大火の際、久慈市が函館市へ義援金を届けたことも学んだ。児童の中に漁師の子どもはいないが、児童自ら「せっかく函館に行くならお礼がしたい」と今回の訪問が実現した。

提供 - 函館新聞社


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