「復旧遠いが、人々に笑顔も」 

update 2011/9/5 12:05


函館聖ヨハネ教会の藤井八郎司祭(70)と妻の直さん(67)が7月5日から8月10日まで、東日本大震災の支援活動にあたるため、岩手県釜石市に入った。被災者に声かけをして、支援物資を用立てるなどの活動を実施。夫妻は「被災地はまだ復旧にはほど遠かったが、人々の顔には笑顔が戻っていた」と話している。

 藤井さん夫婦は、日本聖公会北海道教区の活動として、釜石市を中心に避難所や仮設住宅の被災者を訪問し、被災者支援センター設立活動の支援を行った。

 震災から約4カ月たっていたが、道路の両側にはがれきの山、津波の被害にあった森林の一部は茶色に染まっていた。街灯がなく、夜は道を歩くことに恐怖を感じたという。藤井司祭は「辺りは一面に雑草が生い茂り、震災を風化してしまいそうで恐い」と話す。

 被災者の声に耳を傾けると、住民からは「元の場所に戻りたい」「この先がわからず不安」などの声が上がった。その一方で「仏壇前用の座布団が欲しい」「自由に過ごせる場所や遊び場が欲しい」と要望の声も。

 夫婦は、「できる限りのことを」と住民の要望に応え、他の支援者と共に座布団92枚を約40世帯に届け、ボランティア数人と支援センターの設立支援を行った。壁塗りや掃除をし、被災住宅一件を住民が集える場として開放した。同センターには「みんなと話ができてうれしい」と喜ぶ姿が見られた。

 函館に戻ってからも、2人は北海道教区内で連携を取りながら、毛布や漁業用の作業着50着などの物資を届けた。「震災からもうすぐ半年。年月がたっても、震災があったことは忘れないでほしい。自分たちにできる支援活動を続けたい」と話す。

 現在も函館を拠点に活動を続け、市内の人に新品の毛布や衣類などの提供を呼び掛けている。また、年内に釜石市を訪れ、声かけなどの支援活動にあたる。

提供 - 函館新聞社


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