市経済再生会議初会合、「観光資源生きていない」

update 2011/9/4 10:27


 首都圏など外部の有識者を招いて函館の経済振興について検討する「函館市経済再生会議」が3日、函館国際ホテルで開かれた。今回は外部委員6人のうち、8月27日の初会合に出席できなかった委員2人が市内を視察した後、地域経済の現状や可能性について意見を交わした。

 この日は工藤寿樹市長のほか、西岡幸一専修大経済学部教授とデザイン会社コボ(名古屋市)の山村真一社長が出席。委員2人は会議に先立ち、市内の工業団地や公立はこだて未来大、商店街などを車で回った後、会合では市経済部の担当者から市の施策や人口、観光客の推移などの説明を受けた。

 意見交換で西岡氏は「海や歴史、自然、食など函館の観光資源はありすぎるぐらいある」とする一方、「その割に歩きにくい街で、せっかくの資産が生きていない」と指摘。全国で函館と似たような都市と比較優位にあるベンチマーク(指標)の必要性を提起した。

 山村氏も「都市圏や海外への情報発信が足りない。いまある資源の再発見、再発信が大切」と強調。石川県の高級旅館などを例にもてなしの心の重要性を説き、「函館はまだまだ粗削りなところがあり、企業経営として末端までもてなす教育を浸透させなければ」と語った。

 このほか、委員からは「函館の看板には黄色や朱色が多く、美的感覚としてけばけばしい印象がした」(西岡氏)、「就職率の高い未来大をもっと売り込み、卒業生らのネットワークづくりを」(山村氏)との意見も出た。次回は11月上旬に開催する予定。

提供 - 函館新聞社


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