改造電気自動車が完成 函館バス商会

update 2011/9/3 10:08


 車両整備などの函館バス商会(函館市高盛町、寺坂伊佐夫社長)が開発を進めていた改造電気自動車が完成した。リチウムバッテリーを使用した電気のみで走るタイプで、道南では初登録となる。今後走行実験を重ね、将来的には「函館ハーフマラソンの先導車となり、環境意識を高めることに一役買いたい」(同社)とする。

 整備のための技術的なノウハウ蓄積や環境保護の観点から、1月に社内プロジェクトチームを発足し製作に着手した。機材調達などは、電気自動車の組み立て指導などを行うEVhonda(新潟県長岡市、本田昇社長)の協力を仰いだ。開発費用は約180万円。

 車体は三菱自動車の軽自動車「ミニキャブ」を使用し、エンジンやマフラー、燃料タンクなどを取り外し、代わりにモーターや蓄電池などを荷室に取り付けた。総重量は改造前より約20キロ軽い1340キロに。8月1日に車検登録した。モーター出力は6キロワット、最高時速は約70キロ。走行距離は現在20キロまでだが、今後の実験で70キロ程度まで伸ばせる見通し。2人乗りで、走行時の音はモーター音のみで静かだ。

 電気自動車は、本州方面では個人レベルでも活発に作られているが、道南では初。このため車検時に提出する書類が膨大となり、技術者でも初めて作成した内容が多かった。プロジェクトチームリーダーの吉崎訓さんは「本当に大変で行き詰りそうになったこともあったが、先に開発をしている整備会社などの助言でなんとかできた」と苦労を振り返る。

 車両は今後、試験走行と並行しPRにも積極的に投入していく。見学や、学校などでの出張展示も受け付ける。問い合わせは同社電話0138-53-9823。

提供 - 函館新聞社


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