工藤市長が大間原発初視察
update 2011/8/31 10:21
【大間】函館市の工藤寿樹市長は30日、青森県大間町を訪れ、福島第一原発事故を受けて建設中断中の大間原子力発電所を初めて視察した。事業主体の電源開発(東京)の現地責任者から説明を受けたほか、大間町役場を訪問。同市長は「国が全体のエネルギー対策をどうしていくかが問題。今の時点で無期限凍結を求める姿勢は変わらない」と述べるとともに、現在は半径10キロとなっている緊急時計画区域(EPZ)の対象範囲拡大が必要との認識を示した。
視察は大間原発の安全対策を確認するのが目的。当初は道と合同で訪問する意向だったが道との調整がつかず、市単独での視察となった。
工藤市長は市議会の能登谷公議長らとともに、午前9時半発のフェリーに乗船して大間入り。現地では電源開発の林耕四郎大間現地本部長、浦島彰人大間原子力建設所長らから建設の経緯や、福島第一原発事故を受けての防潮壁設置、高台への非常用発電機設置などの安全対策について説明を受けるとともに、敷地内を視察して回った。
また、原発視察前には大間町役場を表敬訪問し、金沢満春町長や石戸秀雄町議会議長と懇談。しかし原発に関する直接の意見交換はなく、函館市議会が議決した無期限凍結を求める意見書を、能登谷議長が手渡すにとどまった。このほか市長は、函館―大間フェリー航路に関し、財政支援も含めて検討している旨を伝えた。
工藤市長は視察後「函館との距離が非常に近く、さえぎるものもない。(工事は)想像していたよりもはるかに大掛かりだった」と印象を語った。そのうえで「福島の津波にも対処できるというが、それだけで済むのか。想定外のこともあり、視察したから了解したとはならない」とし、建設工事の無期限凍結を求める姿勢を強調した。
た同市長は、EPZが原発から半径10キロ圏内にとどまっていることに疑問を呈し、「函館は大間原発の30キロ圏内に入る。説明だけでなく、同意まで広げなければ福島の教訓にはならない」と主張。野田佳彦新首相下での新規、計画中のエネルギー政策議論を注視するとした。
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