過半数が耐震性に問題 津波避難所に指定の小中学校など

update 2011/8/26 10:09


 函館市の災害時の対応や防災対策を担当者レベルで協議する「市防災会議幹事会」の初会合が25日、函館市役所で開かれた。市は東日本大震災の関係機関の対応をまとめた検証結果を報告し、津波避難所に指定されている市内の小中学校などの半分以上が耐震性に問題がある実態も明らかになった。

 市は震災後の6月に市防災会議の下部組織に当たる幹事会の設置を決め、初会合には地元の警察やライフラインなど市内37機関の担当者ら約50人が参加した。大元となる市地域防災計画は国や道の見直しを踏まえて再検討する考えだが、今回は市や関係機関が独自に見直すことができ、早急に必要な対策について話し合った。

 市総務部は避難所までの避難路が海沿いを通るため危険だったり、旧市内では広報車による避難勧告が不十分だったりと、今回の震災を踏まえた検証結果を報告。震災後に市内の小中学校や公共施設など津波避難所に指定されている30カ所を調査したところ、震度6強の地震でも倒壊しない耐震基準を満たしている施設は14施設(46.7%)にとどまっていることも明かした。

 参加者からは「基準に満たない津波避難所は早めに変えるべき」「津波は予想がつかず、交通規制の場所や方法は事前に協議して決めておくべき」などの意見が出た。今後は年度内に幹事会を3回開き、12月をめどに防災計画の中で独自に見直す素案をまとめ、来年3月には見直し案を策定する計画。

提供 - 函館新聞社


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