過ぎゆく夏満喫
update 2011/8/21 11:12
函館と近郊で20日、地域を代表する恒例の夏祭りが開かれた。日中は雨にたたられる場面もあったが、来場者は過ぎゆく夏を惜しむかのようにさまざまなイベントを楽しみ、夜空に打ち上がる大輪の花火に酔いしれた。
■被災地復興願いも…湯の川温泉いさり火まつり
○…函館市の湯の川温泉街では、地元の夏祭りの最後を飾る「第46回はこだて湯の川温泉いさり火まつり」(実行委主催)が開催。花火大会をはじめ、源泉をみこしで運び湯倉神社(湯川町2)に奉納する「いさり火献湯行列」や灯籠(とうろう)流しが行われた。
まつりは地域を支える源泉を湯倉神社に奉納する献湯行列で開幕。割烹旅館若松(湯川町1)で採湯式を行い、河内孝善実行委員長は「東日本大震災を受けて内外で厳しい状況だが、いつもの年に増して気持ちを込めてお湯を届けよう」と呼びかけた。
各施設から持ち寄った湯がみこしの木樽に注がれ、50人超の担ぎ手が威勢よく練り歩いた。出発直後から激しい雨に見舞われたが、行列の熱気に沿道から大きな拍手が起きていた。
夜には松倉川下流で花火大会が行われ、おなじみのイカ花火など3000発の大輪が大勢の観覧客を魅了した。また、この夏温泉街に滞在する被災地からの家族連れらには特別観覧席が用意され、大きな歓声が響いた。
福島県郡山市の原田康堅(みちたか)君(8)は「面白い形の花火があってきれい。すぐ目の前で上がるのもすごい」とにっこり。母親の裕子さん(37)は「子どもたちが外で遊べることの幸せを感じ、観覧席を設けていただいたりと函館の皆さんへの感謝は尽きません」と話していた。
■大歓声 カッター競漕…しかべ海と温泉のまつり
○…【鹿部】「第30回しかべ海と温泉(いでゆ)のまつり」(実行委主催)は鹿部漁港特設会場で開かれた。カッター競漕(きょうそう)や「演歌界の黒船」ことジェロさんのスペシャルライブ、豪華景品を用意したビンゴ大会など、節目の30回目にふさわしいさまざまなイベントで大勢の来場者を楽しませた。
まつりの見せ場のひとつ、伝統のカッター競漕には、男子20チーム、女子6チームの総勢260人が参加。8人で舟をこぎ、中間地点の救命胴衣を拾い上げて往復180メートルのタイムを競った。観客からも盛んな声援を受けながら、息を合わせてオールをこぎ、水しぶきを上げていた。
男子の部優勝の「ユキオとゆかいな仲間たち」は、「宮浜A」として出場した昨年に続き連覇を達成。タイムは2位の「宮浜B」に約8秒差をつけての圧勝で、代表の滝野行央さん(29)は「おれと仲間たちのおかげです」。
女子の部は「渡島リハビリ」が2分33秒97のタイムで4連覇。同じ職場の男子チームをわずか約0・5秒差で上回った。監督の小野ひな子さん(55)は「男子チームに勝てたことがうれしい。来年、『打倒女子』を目指してほしい。5連覇に向けて頑張ります」と話していた。
会場には、さまざまな屋台が並んだほか、近海の生きた魚やタコなどを放したミニ水族館コーナーなど、家族連れが楽しんでいた。夜には盛大に花火大会が行われ、2500発の花火が夜空を彩った。
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