胸に刻む恒久平和…終戦の日 各地で催し
update 2011/8/16 11:15
【函館、七飯】終戦記念日の15日、函館市内や近郊では、戦没者をしのび平和を願う催しが行われた。参加者は、二度と戦争が繰り返すことがないよう、それぞれの心に平和への思いを刻んだ。
■本願寺函館西別院
○…本願寺函館西別院(函館市東川町12)では、「平和の鐘をならそう!」(函館ユネスコ協会主催)が行われた。会員やその家族、一般市民など約50人が参加。1人1人が境内の鐘をつき、平和への願いを響かせた。
同協会(関口昭平会長)が市民を対象に2001年から毎年行っている事業。称名寺(船見町)や萬年寺(万代町)、カトリック教会(宮前町、元町、湯川)など、市内11か所で午後11時半から同時に行われた。
同協会員の案内に従い、参加した子どもから順に鐘をついた。関口会長(82)は「毎年この時期になると鬱々(うつうつ)となり、思い返すたびに涙が出る。戦没者への祈りに加え、ことしは震災で亡くなった方々にも鎮魂の音色を届けられたら」と話す。
数年前から何度か参加しているという大室明加さん(昭和小6年)は「普段は戦争について考えることは少ないですが、今日は昔戦争で亡くなっていった人たちに感謝の思いを込めて鐘を鳴らしました」と笑顔を浮かべた。 (堀内法子)
■トラピスチヌ修道院
○…トラピスチヌ修道院(上湯川町346)では「世界平和のための祈りの集い」が開かれ、市民ら31人が修道女とともに恒久の平和と、東日本大震災からの復興への祈りをささげた。
2008年から毎年、終戦記念日に開催。聖堂と隣り合う信者聖堂を一般市民に開放した。厳かな雰囲気の中、約50人の修道女が詩編を唱和したり賛歌を歌ったほか、共同祈願として「戦争・大地震と津波などの災害や、民族、宗教間の紛争によるすべての犠牲者を心に留め、永遠のいのちの喜びと平和で満たされますように」などと唱えた。最後に修道女が「平和の鐘」を150回鳴らし、参加者も一緒に黙とうしていた。
市内乃木町の主婦、小松俊子さん(64)は「今年は災害や原発被害もあり、祈ることも大事だと感じた」。青木秀子修道院長は「これからも、市民の方々と一緒に祈ることを続けていきたい」と話していた。
■七飯・平和祈念之碑
○…七飯町では、平和祈念之碑前で平和祈念祭が執り行われた。中宮安一町長、冨原亮道議をはじめ、関係者約100人が参列。すべての戦没者のみ霊に哀悼の意をささげるとともに不戦と恒久平和の誓いを新たにした。
式辞で中宮町長は「戦没者の方々がかけがえのない命で示した戦争の悲惨さと平和の尊さを、21世紀を担う若い世代にしっかりと語り継いでいかなければならない」と述べた。
また、9日に長崎市で開かれた「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に出席した町平和大使の中学生6人も参列。6人は「戦争という過ちを再び繰り返さないこと、恒久の平和をここに誓います」と宣言し、被爆地の長崎、広島の平和への思いを伝えた。
大沼中学校2年生の高田啓太君(13)は「長崎の原爆資料館の展示物を見て、あまりのひどさに驚き、言葉が出なかった。戦争や核兵器の恐ろしさをみんなに伝えていきたい」と話していた。
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