道南は4カ所「預託」…安愚楽牧場問題

update 2011/8/12 10:33


 経営難に陥っていた和牛オーナー制度の「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)が東京地裁に民事再生法の適用を申請した問題で、道南には預託先牧場が3カ所、個別に牛を預かっている農家が1カ所あることが11日分かった。直営牧場はない。いずれも渡島管内で、既に預託料の支払いが滞っている例もあり、関係者からは不安の声も出ている。

 道農政部によると、道内には音更牧場(十勝管内音更町)や胆振牧場(胆振管内厚真町)など8直営牧場がある。このほかに、預託牧場や農家が154カ所、飼育頭数は約6万4000頭に上る。今回の事態を受け、道は「情報を集め、今後の対応を研究している段階」(農政部)という。

 渡島管内は、北斗市営牧場(同市村山)で534頭を飼育。同牧場では6月から牛を預かり始めたが「6、7月分の預託料が入ってこない。遅れてでも入ってくれば問題はないが、万が一焦げついた場合に、どういった対応が可能か慎重に検討したい」(市農政課)とする。

 八雲町育成牧場(同町熱田)でも210頭を飼育。「月に約200万円の預託料は牧場収入全体の約3分の1を占めていて、それが入ってこないと町財政に与える影響も大きい。預託料をきちんと納めてもらいたいが、先行きが見えず不安…」(町農林課)と漏らす。

 JA新はこだてが管理する南渡島地区家畜育成牧場(木古内町幸連)でも43頭を飼育。このほかに、八雲町内に預託先農家が1戸あり、約70頭を飼育している。

 道などによると、同社は債権者説明会を17日に神戸市、19日に東京都内でそれぞれ開く。

 同社は、黒毛和牛生産では全国トップ規模を誇る畜産会社。オーナーは全国に約7万人いる。福島第一原発事故の影響で、放射性セシウムを含む稲わらを食べた牛肉の流通により、牛肉消費が減り市場価格が下落したことなどで、急速に資金繰りが悪化したとみられる。

提供 - 函館新聞社


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