本年度の普通交付税大幅減 函館市財政に痛手
update 2011/8/7 10:29
国からの配分が決まった本年度の普通交付税で、函館市は臨時財政対策債を含めた歳入見通しが本年度当初予算比で約7億3000万円減少する結果となった。前年度比では約14億8900万円の減少で、市財務部は「人口減少が大きく影響した」と話している。不足分は基金の取り崩しでしのぐ考えだが、大胆な歳出削減策の実行は避けられない状況だ。
市の6月補正後の本年度一般会計予算は1310億500万円。当初予算では国の地方財政計画に基づき、普通交付税を348億7100万円と見込んだが、実際の交付額は1・1%、7億8900万円少ない340億8200万円。交付税の不足分を臨時に起債で発行できる臨時財政対策債は交付額47億899万円で、当初予算からは5800万円余り上回ったが、前年度の発行可能額からは19・1%減となる。
最大の要因は人口減。昨年行われた国勢調査での函館市の人口は約1万5000人減り、28万人を割り込んだ。交付税は算出基準の大半が人口を基礎としており、市財務部は「人口減は当初予算でも見込んでいたが、全道一の下落率となったことが響いた」と嘆く。
さらに、普通交付税で措置されない個別、緊急の財政需要に交付される特別交付税の状況が変化したこともマイナスに働いた。
特別交付税は交付税全体の6%分とされる。昨年、利率を5%に下げ、1%を地方交付税に回す法案が国会に提出されたが、東日本大震災の発生で3年間は6%据え置きとすることで可決。市は当初、5%措置によって普通交付税が2億5000万円増えると見込んでいただけに、思わぬ痛手となった。
本年度の一般会計当初予算では市税収入の減少と扶助費の増加に伴って34億円の財源不足が生じ、赤字地方債の退職手当債を22億円組んだ。
4月に就任した工藤寿樹市長は赤字債に頼らない財政の実現を目指しており、事業仕分けや財政再建推進会議の設置、職員給与の削減などを今後実行に移す考えだが、相当な内部努力は避けられない。市の大竹教雄財務部長は「減少は予測していたが、厳しい状況。当面は基金でしのがなければならないが、14年度には合併による算定替えもなくなる。さらなる行革が必至」と話している。
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