太平洋セメント上磯工場フル稼働
update 2011/8/6 13:34
【北斗】太平洋セメント上磯工場(北斗市谷好1、神長俊樹工場長)は本年度の生産計画を見直し、通年でフル稼働体制とすることを決めた。同社の大船渡工場(岩手県大船渡市)が東日本大震災で被災し、各地の工場に生産量が分配されたためで、当初計画と比較し46万d増の386万トンと上方修正した。過去、最も多かった2005年度の391万トンに匹敵する数量で、東北地方向けの出荷量も増加している。
上磯工場には、セメント焼成用のロータリーキルンが3基あり、年間最大生産量は390万トン。年度当初は11月まで3基体制で生産し、12月〜来年3月までキルン1基を調整休止する予定だった。震災を受けて、点検期間を短縮したり、輸出計画も見直し、国内向けの出荷体制を強化している。
東北の太平洋側の供給拠点であった大船渡工場は、2基のキルンのうち、1基と主要な生産施設が津波被害を受け、現在、11月の生産再開に向けて復旧作業中。被害を免れたキルンでは、大船渡市や陸前高田市で撤去されたがれきの焼却を行っており、同工場が本格的にセメント生産を再開する時期は未定という。
そのため、東日本最大の生産拠点でもある上磯工場から宮城県内の出荷基地に向け、これまでに約8万5000トンの製品を出荷。路盤補強を行うための地盤改良材の割合が多いという。さらに大船渡で生産していた使用時の発熱量が少なく、ひび割れしにくい特殊セメント「低熱セメント」も品質の確保ができ次第、上磯工場で生産を開始する。
現時点で、今後の震災復興にかかわる需要の増加は未知数だが、木伏正克業務部長は「東日本の生産拠点として上磯工場の担う役割は重い。峩朗(がろう)鉱山からの原料供給を含め、安定生産に努めたい」としている。
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