日銀支店 道南6月の経済動向「先行き不透明」
update 2011/8/2 10:53
日銀函館支店が発表した6月の道南地方の金融経済動向によると、東日本大震災の影響で観光面を中心に下押し圧力が続いている。水産加工など生産面に一部震災関連需要があるが、景気判断は「先行き不透明感が強い状況にある」として据え置いた。
プラス要素としては、生産のうち水産加工が被災地の代替需要から安定した操業を続け、水産加工品売上高(7社)は前年同月比14・7%増と2カ月連続で2ケタ台の伸びとなった。現場への聞き取り調査では「効果は当初予想より長く続いている」感触があり、同支店は「逆に考えると被災地の復旧・復興が遅れていることの表れ」とした。
このほか、国内出荷向けセメント生産が被災地工場からの生産移管などで増加傾向にあり、電子部品関連も回復の動きが見えている。
一方で観光は震災の影響を引きずり、道外・外国人観光客を中心に厳しい状況が続く。主要ホテル(20社)の宿泊客数は同22・2%減、函館空港乗降客数は同22・3%減、函館山ロープウェイ利用客数は同30・8%減、五稜郭タワー利用客数は同30・1%減に。それぞれ2―3割の幅で前年を下回っている。
同支店は「前年は函館競馬場のリニューアル効果があり、その反動もある」としながら、09年同月比でもマイナスとなっていることから震災の影響を指摘。聞き取りでは7月下旬以降の需要が高まっているとの感触があるため「夏の時期にどれだけ稼げるかがポイントだ」とみる。
個人消費は、薄型テレビやエアコン、省エネ関連商品などは好調だが、中元商品や高額衣料・雑貨が伸び悩み、主要小売店(10社)の売り上げは前年同月比0・5%減に。減少は小幅となったが、3カ月連続の前年割れが続いている。新車登録台数は同0・9%増と10カ月ぶりに前年を上回った。ただ7月には、前年がエコカー補助金のため好調だった反動で、同8・3%減で再び減少する。
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