道南食材 世界の空へ、ANA国際線の機内食に

update 2011/7/30 11:02


函館特産のガゴメコンブや道南限定栽培の超大粒大豆タマフクラなどを採用した中国料理メニューが、全日空(ANA)の国際線ビジネスクラスの機内食で提供されている。人気中国料理店の脇屋友詞シェフ=札幌出身=がほれ込んだ厳選素材で監修。採用された食材の地元生産者の喜びもひとしおだ。道南・函館育ちの農水産物が世界の空で飛躍≠フときを迎えている。

 脇屋シェフと道南の食材を結びつけたのは、昨年7月に開かれた渡島総合振興局主催の「道南食のブランドフェア」。道産食材のブランド化を支援する「食のサポーター」に委嘱されているシェフ自ら市内南茅部地区で漁船に乗って養殖のガゴメを視察したり、渡島の生産者らと加工品について意見交換したりして、料理への活用を決めた。

 コンブには、厳選された尾札部産のガゴメとマコンブを採用。脇屋シェフの監修のもと、市内にあるコンブ加工販売の道南伝統食品協同組合(大船町)に素材の提供や製造加工を依頼し、道立工業技術センター(桔梗町)や北大大学院(港町3)の技術協力による産学官連携で食材として魅力を最大限に引き出した。

 機内食にはガゴメ独特の粘りとうまみを生かした「おつまみラー油」をはじめ、トロロコンブを低温でじっくりと乾燥させ、パウダー状にした昆布粉を加えた「牛テールのチャイナポトフ」、マコンブとガゴメに、かつお節や白ゴマを織り交ぜた「がごめ昆布ふりかけ」などが並ぶ。

 一方、国内最大級の粒が特徴の黄大豆タマフクラも、脇屋シェフが商品開発から携わってレシピを考案。市内で大豆製品を製造販売するだるま食品本舗(西桔梗町)が手掛ける水煮の甘酢漬けを「白身魚の黒酢風味」にたれのように添えたり、むき身加工した枝豆をサラダに入れたりと、料理の重要な役目を果たす。

 機内食は第1弾として、6月から成田発の北米5路線で提供。9月から欧州4路線、12月からアジア3路線へと移行する。ANAによると、機内食で中国料理をセットメニューに取り入れるのは初めて。同社広報室は「シェフの出身地である北海道の旬の食材をふんだんに取り入れ、当初予定の販売数を上回る人気」という。

 道南伝統食品協同組合の原田靖参事は「コンブの価格が下落する中、地域の食材に光を当ててもらい、作り手として大きな自信になる。尾札部という地元発のこだわりで、付加価値を高めて成長する起爆剤にしたい」とし、9月にもふりかけを市販化する予定だ。

 だるま食品本舗の工藤哲也常務も「機内食には情報発信力もあり、地域食材のブランド化にも大きな弾みとなる。一流の料理人に認められたことで、生産者の励みにもなり、タマフクラの消費や販路、作付けの拡大にもつながるはず」と期待している。

提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです