箱館奉行所あすでオープン1年、入館者33万人に

update 2011/7/28 10:29


 国の特別史跡「五稜郭跡」に復元された「箱館奉行所」は、29日でオープンから1年を迎える。約140年の時を経て再現された奉行所の注目度は高く、入館者は33万81人(26日現在)と好調に推移している。2年目を迎え、観光名所としての存在にとどまらず、独自の体験事業を増やしていく考えで、関係者は「歴史、文化の発信基地としての性格をさらに強めたい」と話している。

 箱館奉行所は1864(元治元)年、北方警備の拠点として設置され、旧幕軍降伏後の71(明治4)年に解体された。復元工事は総工費約28億円で、2006年から4年かけて実施。総面積の3分の1に当たる約1000平方メートルが復元されている。

 開館当初から好調な入り込みを記録。3月には東日本大震災の影響で団体客のキャンセルが相次いだが、昨年度の入館者は22万9489人と、当初目標値の14万7000人を大きく上回った。

 市教委によると、本年度は4月が1万1462人と低調だったが、5月は大型連休で持ち直し4万4824人。6月も2万4111人と堅調。5月3日には1日当たり最多の4658人が入場し、昨年8月14日の4116人を更新した。観光客はもとより、被害の大きい東北を避けて函館にシフトした修学旅行生などの入場が目立つ。

 同奉行所では1周年を機に、29日には琴奏者による演奏会を行うほか、30日には市中央図書館で記念フォーラムを開き、今後の有効活用策について探る。また8月1日からは隣接する兵糧庫を2年ぶりに一般公開し、1986〜87年の発掘調査で出土した美術品などを展示する。

 市教委は「周辺施設が行う各種イベントと連携し、奉行所を五稜郭のシンボルとしてアピールしていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社


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