ゲートボール離れ進む

update 2011/7/20 10:26


 函館市内のゲートボール愛好者の減少が止まらない。1985年創立の「函館市ゲートボール協会」(星川嘉克会長)では、ピーク時に1029人いた会員は89年から減少に転じ、今年6月現在で69人にまで激減している。団体競技のゲートボールから、個人競技のパークゴルフに人気が流れており、星川会長(75)は「競技人口を増やすのは容易ではないが、若者にも通じるゲームの奥深さ、楽しさを伝え続けるのは協会の責任」と力を込める。

 ゲートボールの普及振興や健康増進を目指して発足した同協会は、各町の老人クラブを中心とした団体などで構成。当初は会員935人、53クラブで始まり、88年には1029人、69クラブに膨らんだが、翌年から減少の一途をたどり続ける。公式試合が可能な施設も今では千代台公園多目的広場(千代台町)のみだ。

 「渡島ゲートボール連絡協議会」所属の各市町の団体も、組織数減少に歯止めがかからない。函館・近郊以外の町に存続するのは1、2団体程度。2年前には桧山管内所属の4、5団体を編入合併させている。

 「高齢者のスポーツ」「チーム内で争いが起きる」「ルールが複雑」─。競技を離れる人は口々に漏らす。星川会長は「老人クラブ加入が試合参加の条件と考える40、50代が協会の創立当初から大勢いた」と振り返り「後継者になるはずだった愛好家対策をしっかり打ち出せなかった責任もある」と唇をかむ。

 一方で、個人記録で勝負するパークゴルフに転向する人は右肩上がりで増え続ける。時代の流れとともに強まる個人主義、簡単とされるルール。現在、50代〜97歳の同協会会員の9割がパークゴルフにも親しむが「ゲートボールのルールや面白さを知る人は絶対やめない」(星川会長)という。

 ゲートボールには@比較的簡単な施設でできるA知的好奇心を喚起するB運動量が少ない|といった特徴がある。星川会長は「頭脳を使うところは実は若者向け。魅力さえ知ってくれれば必ず競技人口は増える」。パークゴルフが盛んな本道と違い、広大な敷地が少ない関東以西では「10、20代の初心者が増えていると伝え聞く」とも。

 同協会では昨年、若者向けの教室を初開催した。迅速な競技進行や運動量の増加を目指した数人1組のチーム対抗戦だ。若い世代は集まらなかったが会員の間では評判で、今年も8月27日に千代台公園で開く予定という。

 星川会長は「ゲートボールは消滅寸前だが、一方で『国体競技』の一歩手前である『公開競技』にまで認められている。少しでも興味のある人、初心者を歓迎したい」と教室への参加を呼び掛ける。

 問い合わせは星川会長TEL0138・55・9413。

提供 - 函館新聞社


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