中華会館、今夏も公開

update 2011/7/14 11:05


 中国・清朝の建築様式で国内最古の建物、函館中華会館(大町1)の特別公開が今夏も始まった。管理する社団法人函館中華会館の陳上梅理事長(82)は「日本に唯一現存する清朝末期の建物。函館の観光に役立てるように、大勢の人に来館してほしい」と話している。

 会館はコンブなど日中貿易で財を築いた函館在往華僑が1910(明治43)年、商業神の「関羽」を祭る「関帝廟(かんていびょう)」として建築。「異国で生きる大変さを乗り越えるため団結した場所。1世紀後に観光施設となるとは、先人は思っていなかっただろう」と陳理事長。

 外観のれんが造りとは対照的に、中に入ると精巧な彫刻、金箔(きんぱく)などの装飾が施された祭壇や美術品、平和の大切さを訴えた書などが展示されている。くぎを1本も使っておらず、漆塗りなどにより黒、朱(赤)、金色に統一されている。2001年には国の有形文化財にも指定されている。

 一般公開は1982年から始まった。建物の老朽化などで05年から公開を休止していたが、08年から夏期に開館している。陳理事長は「今では造ることができない技法の建物。華やかさを見て楽しみ、先人の苦労、100年の年月を感じてもらえれば」と来場を呼び掛けている。

 開館は8月23日までの午前11時〜午後4時半(最終日は同3時まで)。入館料は大人600円、高校生300円、小中学生200円。カメラの写真撮影は受け付けで1000円を喜捨すると許可される。

提供 - 函館新聞社


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