高齢者ら対象、旧4町村の交通料金助成を検討

update 2011/7/10 10:59


 函館市は、東部4支所管内の高齢者や障害者を対象とした交通機関乗車料金助成制度を来年度から実施する方向で検討に入った。現在は合併前の旧市域での実施に限られているが、市内全域に広げて制度の不均衡を解消する考え。一方で助成額が高額となり、バスの運行形態の違いも依然として残っていることから、実施には綿密な制度設計が必要となりそうだ。

 市は1973(昭和48)年から交通機関の利用料金助成を実施。現在は旧市域の70歳以上の高齢者と身体障害者に市電と函館バスの半額・無料利用証を交付しているほか、精神障害者も障害の程度に応じて無料・半額としている。

 市福祉部によると、本年度は約4万2000人に利用証を交付。一方で東部4地域については、合併時の協議で財政負担の問題に加え、地域福祉バスの存在など旧町村ごとにバス運行形態に違いがあることから、「当面の間現行のまま」として制度の統一が見送られ、各地域審議会などで要望が上がっていた。

 工藤寿樹市長は7日の市議会個人質問で、「合併後6年を経過しており、すべての地域の高齢者や障害者が同様に助成を受けられることが望ましい」として、来年度からの導入方針を示している。

 函館中心部と4地域を結ぶバス路線は、長距離を走るため運賃が高額な上、人口減とともに利用客の減少が続いており、一部路線では運行に際して補助金を支出している。市介護高齢福祉課は「財政負担や地域性も含めて検討を進めていく」と話している。

提供 - 函館新聞社


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