海底活断層調査へ…「函館平野西縁」の延長上
update 2011/7/9 12:54
【北斗】産業技術総合研究所と道立総合研究機構地質調査研究所は、文部科学省の受託事業として、8月中旬から北斗市沿岸域で「函館平野西縁断層帯」の延長上に位置する海底の活断層調査を実施する。主に船上から音波探査などを行い、活断層の位置や規模を確認。収集したデータを解析し、本年度中に報告書をまとめ、来年度以降に調査結果を公表する。
函館平野西縁活断層帯は、主に渡島大野断層と富川断層で構成。函館平野と西側の上磯山地境界付近に位置し、西側に隆起した逆断層で、函館湾西岸付近まで南北24キロに及ぶ。2001年に文科省の特別機関「地震調査研究推進本部」がまとめた将来の活動予測では、マグニチュード7.0〜7.5程度の地震発生の可能性が30年間で0〜1%あると評価されている。
文科省は2009年度から、地震調査観測の空白域となっていた国内沿岸部の活断層調査を開始。これまでの陸上部の調査と併せて、評価の見直しを進めている。本年度の調査対象として、北斗市沿岸部などが選定された。
北斗市沿岸では、西縁活断層から続くと想定される矢不来沖や葛登支(かっとし)岬沖を調査し、西側の木古内町から知内町にかけて沿岸部でも断層の存在を明らかにする。2〜3週間かけて、船上から音波探査で海底の堆積構造を調べるほか、堆積物を採取して、過去に断層が活動したかどうかを調べる。木古内町内では、陸上部で段丘面の高低差の調査を実施する予定。
道立総合研究機構地質調査研究所の内田康人主査は「音波探査で海底下の堆積構造を調べ、断層の存在や地層のずれがわかる。さらに、堆積物を分析することで、いつごろ断層のずれがあったかなどが明らかになる」としている。
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