酒米を本格活用へ
update 2011/7/5 10:00
函館市は昨年度に試験栽培した酒米の本格的な活用に乗り出す。収穫した酒米を使って文字通り“函館の地酒”製造を目指すほか、近年関心が高まっている米粉の生産、さらに家畜の飼料用としての活用をイメージしており、市農林水産部は「試験栽培したノウハウをフルに使いたい」と意気込んでいる。
市は昨年度、緊急雇用対策の一環として同市亀尾地区の休耕田約4000平方メートルを利用して、道内で広く生産されている酒米「吟風(ぎんぷう)」を初めて栽培。技術面はもちろん、函館の気候条件が栽培に合致するのかを探るとともに、醸造する過程でどの程度アルコール度が上がるのかを検証している。
活用に当たっては3つの方策を想定。地酒製造には、地元に醸造メーカーがないため、市の他部署や高等教育機関、酒類販売業者らと連携して、製造や販売などの体制構築を模索する。出資者が有限責任のみを負うLLP(有限責任事業組合)の手法なども想定される。
酒米から米粉を作る計画では、地元の飲食店や加工業者に米粉を使った新商品の開発を持ちかける考え。昨年度から始まったコメ農家への戸別所得補償制度では、米粉用米は生産調整外で作付けでき、食用米と同じ程度の採算が取れるメリットもある。
また、家畜用米としての活用では酪農業者らの協力を得て、肉質や牛乳の成分に違いがあるかどうかを検証する。
補正予算案には関係経費約24万円を計上しており、本年度は酒米の成分分析とともに関係業者らに原料として提供する。同部は「酒米からさまざまな製品が作れることを周知し、生産者の所得向上に結び付けたい」と話している。
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