函館市議会開会、工藤市長が執行方針

update 2011/7/1 12:01


 函館市議会の第2回定例会が30日、開会した。工藤寿樹市長が市政執行方針、山本真也教育長が教育行政執行方針を述べ、工藤市長は経済再生と市財政の再建を最重要課題として取り組む意向を示した上で、「市民の主体性を前面に押し出す行政へと転換し、自立した都市経営を確立する」と、新たな発想によるまちづくりに当たる決意を語った。会期は7月20日までの21日間。 

 工藤市長は、@躍動する経済都市A日本一の福祉都市B子どもたちと若者の未来を拓(ひら)くまちCガーデンシティ―の4点をまちの将来像に据え、「活気に満ちて、だれもが幸せに暮らせるまち・函館」の実現を目標に掲げた。 

 東日本大震災を受け、経済や産業活動で非常に厳しい局面が続くとし、その上で「福祉の充実や教育振興を図るためにも、市の財政再建を何としても果たさなければならない」と力説。 

 主要施策として、有識者で構成する経済再生会議の設立をはじめ、大門地区再生に向けた「子どもおもしろ館」の開設、職員給与・退職金の見直しのほか、各種公共施設の廃止も含めた整理統合の早期着手、東部4支所管内の高齢者を対象にした新たな交通機関乗車料金助成制度の創設を打ち出した。 

 医療費助成対象を小学生から中学生に引き上げることや、日吉4丁目団地跡の福祉コミュニティエリアとしての整備、旧函館北高跡地をスポーツ公園として整備することにも触れた。 

 また、対岸の青森県大間町で建設中の大間原発について「安全性の検証がなされない状況下では、建設中や新規の計画は無期限凍結すべき」と改めて主張。近隣自治体や道と協議し、安全確保に関する国への要請とともに、クリーンエネルギーへの転換に向けて「住宅用太陽光発電システム設置を支援する」とした。 

 一方、山本教育長は重点目標に@豊かな人生を支援する生涯学習の充実A子どもの「生きる力」を育む学校教育の推進B子どもの健やかな成長を支える環境整備―を挙げ、「学校、家庭、地域社会が一体となり、地域ぐるみで子どもたちの育ちを支える教育を推進する」と述べた。 

 具体施策では縄文文化交流センターの10月オープンとともに、市民体育館は「基本計画を策定するなど、新たな整備に向けて取り組む」と述べ、既存方針の転換を表明。さらにフルマラソン実施の検討を進めるとした。 

 学校教育ではインターネットへの不適切な書き込みを監視するネットパトロールの継続、あらゆる災害を想定した危機管理マニュアル、地域安全マップの見直し、弥生小学校新校舎に学童保育所専用施設を併設することなどを挙げた。

提供 - 函館新聞社


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