大口下水道料 引き下げ…函館市が企業支援10月から
update 2011/6/30 10:46
函館市は10月から、市内の事業所など大口需要家向けの下水道使用料を引き下げる方針を決めた。厳しい地域経済情勢や東日本大震災の影響を踏まえ、ホテル・旅館などの宿泊施設や水産加工会社を間接支援する狙い。試算では事業所の負担軽減額は年間で約9000万円に上る見通しで、長引く景気低迷で苦境にあえぐ地場企業の経営改善につながりそうだ。
市の下水道料金は、汚水量が多いほど料金単価が高くなる累進制で、一般家庭に比べて水を大量に使う事業所の負担割合が大きい。見直し案では1カ月当たりの使用量が20立方メートルを上回った場合からの単価を段階的に引き下げ、使用量が多いほど値下げ幅を大きくした。
例えば、最も料金が高い、月1000立方メートルを超える汚水量の事業所では、1立方メートル当たりの単価(税込み)が月216・3円から201・6円に6・8%安くなる。一般家庭など使用量が20立方メートル以下と少ない場合は、これまで通り月143・85円のままとした。
市企業局管理部によると、市内のホテルや水産加工会社など汚水量が多い上位30社の平均使用量は月約1300立方メートル。見直し後には下水道料金が現在の月額約25万6000円から約24万2000円となり、月約1万4000円、年約17万円の負担軽減となる。
汚水量が月1300立方メートルの場合、道内の主要10市の下水道月額使用料は、江別が最も安く約18万8000円。函館は札幌(約23万円)、北見(約25万円)に次いで4番目だったが、今回の見直しで3番目に安くなる。函館市の水道料金は業務用では10市中で最も安い。
市内の大口需要家には月1万立方メートル、年間で12万立方メートル以上の汚水を流す水産加工会社もあり、見直しによる負担軽減額は月約14万円、年約170万円にも及ぶ。ある水産加工業者は「震災の影響で仕入れや需給が不安定な中、浮いた経費を商品開発や営業面に回すことができる」と歓迎している。
市の大口向けの下水道の基本料金の引き下げは2009年5月以来2年ぶり。市は30日から開会する定例市議会に下水道条例の一部改正案を提出する。
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