41件が「不適切処理」…オンブズマン「知恵の予算」独自調査

update 2011/6/29 10:26


 市民団体「道南市民オンブズマン」(大河内憲司代表)は28日、函館市が2007年度〜10年度に実施した創意ある学校づくり推進事業(知恵の予算)について、07〜09年度の調査結果を公表した。それによると、3年間で支出されたうち、小学校34件、中学校7件の計41件、約260万円が不適切な支出だったと指摘している。

 知恵の予算は西尾正範前市長の目玉政策で、市立小、中学校、高校の学校規模に応じて100、80、60万円を配分。4月に就任した工藤寿樹市長は「公務員へのばらまき」と批判し、6月の補正予算で廃止を提案する。

 同オンブズマンは各学校からの報告書に基づき、昨年11月から金額の使途や適正度、費用対効果などを独自に検証。その結果、各小中学校で教職員の視察旅行や研修会、教職員向け講演会の謝礼、町会やPTA用の防犯ジャンパーの作成経費に使われたことがわかり、「予算の趣旨から逸脱している」と指摘した。

 これとは別に、歌舞伎公演やミュージカルの鑑賞経費(高校)、図書466冊の購入(中学校)など4件、約246万円を「執行内容に問題がある」としたほか、3年間の決算額がいずれも、同団体が情報公開請求を使って調査した金額と合致しなかったとしている。

 住民監査請求について大河内代表は「請求する余地はあるが、返還は学校現場の混乱を招く」として消極的だが、「市は使い道をはっきりと決めて交付すべき」と話している。

提供 - 函館新聞社


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