市立3病院 13億円黒字 昨年度
update 2011/6/24 11:15
函館市病院局は23日、市立3病院(市立函館、恵山、南茅部)の2010年度経営実績を公表した。単年度で13億1388万円と大幅な黒字を計上し、約53億円あった実質的な累積赤字額を40億6800万円に減らした。09年に策定した病院事業改革プランに基づき、患者の増加策に取り組んだことや、材料費のコスト削減策が奏功した。
同日開かれた病院事業経営改革評価委員会(委員長・岩田州夫公立はこだて未来大副理事長)で示した。
3病院合計の収益は、前年度比8.0%増の182億9603万円。大部分を占める市立函館病院では昨年度、診療報酬が10年ぶりのプラス改定となったことや、看護師を増やして受け入れ体制を強化するなど効率的な病床管理に努め、一般入院患者は1日あたり同19.2人増の491.9人、外来患者も同30.3人増の1132.9人となり、今年2月に改訂した改革プラン収支計画をいずれも上回った。病床利用率(77.6%)、手術件数(1カ月あたり257.2件)も目標値を上回った。
恵山、南茅部病院は入院患者数、病床利用率とも目標値に達しなかったが、改革プランで定めた収支計画は上回った。
費用は前年度比1.3%減の178億8908万円。材料費ではジェネリック医薬品を積極的に採用。同薬品の割合を全品目中47.3%としたことで、入院・外来収益に対する材料費の割合を28.22%(同4.2ポイント減)と抑えた。
単年度収支は改訂後の計画で7億5000万円余りの黒字を見込んでいたが、これを倍近く上回った。累積赤字は11億4200万円、特例債を含めると40億6800万円が残っているが、昨年度実績を受けて12年度に累積の財源不足が解消され、特例債分を含めた場合は15年度で解消する見通し。
本年度は当初予算ベースで6億6000万円の黒字を見込む。同委員会で市立函館病院の木村純院長は、今後の収支改善に向け「急性期病院化と、他病院との連携を強化していきたい」と話した。
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