若松地区の防潮堤増設 震災対策で1000万円

update 2011/6/21 11:52


 東日本大震災に伴う津波被害を受け、函館市は函館湾に面した青函連絡船記念館摩周丸周辺の市内若松地区の防潮堤を新たに増設することを決めた。震災対策として6月30日に開会予定の定例市議会に提出する補正予算案に事業費1000万円を計上。早ければ9月にも着工し、年内の完成を目指す。

 今回の震災で函館では最大波2.4メートルの津波を観測し、函館朝市やベイエリアなどで建物や車両などに冠水被害が相次いだ。特に朝市のあるJR函館駅周辺では、湾に面した護岸が一部整備されていない個所があり、そこから海水の流入が目立ったことから、朝市関係者らが市に対策を求めていた。

 一方、2005年に策定した市の港湾計画では、若松地区に大型客船が停泊できる旅客船埠頭(ふとう)を整備する予定で、今回、津波が流入した個所は計画では埋め立て地化される場所だった。このため「護岸工事が無駄になる可能性があり、整備には二の足を踏んでいた」(市港湾課)のが現状だ。

 国の開発予算が縮小する中、埠頭整備の早期実現は厳しい情勢で、市は整備事業を待たずに既存の防潮堤を延長する形で増設に着手することを決めた。防潮堤はいずれも高さ3bで、摩周丸裏側14・5bと、函館駅裏側のコの字型56bの護岸2カ所。7〜8月の観光シーズンを避けて着工する見通しだ。

 このほか、今回の津波で函館湾に面した地域では、市水産物地方卸売市場や金森赤レンガ倉庫群などのある豊川地区も浸水被害が大きかったが、市港湾空港部は「船の荷役や景観上の問題があり、防潮堤の設置だけでは解決できない」と頭を悩ませる。「市として早急に整備できるところから着手し、少しでも地域の安全・安心につなげたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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