函館スイーツアンテナショップ 独立事業化へ正念場
update 2011/6/16 12:10
道南の和洋菓子メーカー8社でつくる「函館スイーツの会」(佐々木博史会長)のアンテナショップ(函館市松風町)が14日で、開店2周年を迎えた。2年目は観光客の落ち込みや商品のマンネリ化が響き、売り上げが大幅に減少。運営費の大半を占める国の交付金が本年度末で終了するため、同会は来年度以降の独立事業化に向けて正念場を迎えている。
アンテナショップは国の緊急雇用対策事業「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用し、2009年6月にオープン。3カ年事業で店舗スタッフらの雇用を生み出す自治体の事業に国が人件費などを補助する仕組みで、本年度末までに総額約6800万円を補助する。現在は5人のスタッフが勤務している。
スイーツの会は開設当初は9社だったが、現在は五島軒(同市末広町)やジョリ・クレール(北斗市)、千秋庵総本家(函館市宝来町)など老舗を中心に8社で構成。地元食材を使った各社の商品を「函館スイーツ」に認定し、昨年夏には統一テーマの「箱館奉行所最中(もなか)」を発売するなどオリジナル商品も開発している。
認定スイーツは約60種類あるが、市民の認知度はいまひとつ。常時店頭に並ぶのは約30種類で、内藤茂樹店長は「商品に変わり映えがなく、徐々に飽きられていた」と打ち明ける。売り上げも1年目は約1870万円だったが、2年目は約830万円まで減少。関係者も「普通の菓子店ならとっくに廃業している」と指摘する。
また、東日本大震災の影響で春以降は主力だった観光客の利用が激減。あらためて地元に愛される店を目指そうと、4月からは取扱商品も認定スイーツにこだわらず、各社のおすすめや売れ筋も並べ、品数を従来の倍に当たる約60種類に増やした。利用客から要望の多かった生ケーキの販売や誕生日ケーキの予約販売も始めた。
今月18日からは2周年を記念したフェアを開き、7月9日には近隣の「はこだてグリーンプラザ」でケーキセットなどを提供するオープンカフェイベントも企画している。内藤店長は「今後、独立して店舗運営していくには10月までの実績が勝負。大門地区の活性化と連動し、地元客をもっと取り込みたい」と話している。
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