新島襄の志 受け継ぐ 同志社フェア

update 2011/6/14 12:18


 函館と深いつながりがある同志社大(京都)主催の学外向けイベント「同志社フェアin函館」が12日、函館市若松町のロワジールホテル函館で開かれた。同大の創設者である新島襄は幕末に函館から密出国して渡米。記念の地で、卒業生ら約150人が新島の志を改めて心に刻んだ。13日には、市内で特別企画「新島足跡ツアー」を行い、25人が海外渡航の地碑など9カ所に足を運んだ。

 12日は「全国同志社卒業生との集い」を開催。同大の八田英二学長が大学の教育改革について説明。2013年には京田辺キャンパス(京田辺市)にある文系学部が今出川キャンパス(京都市)に集結することを報告。都市回帰により学生の利便性を高め、生き残りをかける戦略を強調した。

 同大OBでラグビー元日本代表の大八木淳史さん(49)が講演。史上初の大学選手権3連覇など同志社ラグビーの全盛期に貢献した大八木さんはラグビーを通じ情熱や志、人間形成、社会貢献することの大切さを学んだと強調した。また、同大神学部の本井康博教授が講演、新島と本道とのつながりを解説した。

 このほか、函館水産高校の3年生9人が寸劇で、新島が脱国する夜の場面を熱演。生徒らは「今後も新島の脱国の精神(外向きの精神)でいろいろと活動していきたい」とアピールした。

 交流交歓会では、13年のNHK大河ドラマの主人公に、福島県出身で新島の妻八重が主役に決まったことを受け、大いに盛り上がった。

 13日は、バスで渡航の地碑のほか、新島が函館で最も長く滞在(下宿)した函館ハリストス正教会、新島が脱国した夜の出発地である山上大神宮、新島の遺髪を保管する函館千歳教会などを巡った。千歳教会の井石彰牧師は「新島の精神を受け継ぎ、脱国の地・函館で市民に教えを広めたい」と話していた。

 脱国記念日に当たる14日は、午前11時から渡航の地碑で市民も参加して碑前祭(学校法人同志社主催)が開かれる。

提供 - 函館新聞社


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