「高田屋嘉兵衛まつり」中止
update 2011/6/9 13:21
毎年7月に函館市西部地区で開かれていた「函館高田屋嘉兵衛まつり」(実行委主催)が、東日本大震災や景気低迷の影響で協賛金収入が減少することが危惧されるため、中止されることが決まり、実行委も解散することとなった。
高田屋嘉兵衛(1769―1827年)は、北方領土開拓の先駆者。国後島と択捉島の間に安全な航路を開き、漁場を開拓した。同祭りは嘉兵衛の没後150年に当たる1976年、功績をたたえることにより、北方領土がわが国固有の領土であることの認識を広め、領土返還運動の機運を高めようと始まった。2006年8月にはその運動内容が認められ、実行委が当時の沖縄北方担当相から表彰を受けている。
毎年、市内宝来町の嘉兵衛像の前で顕彰・慰霊式、「高田屋嘉兵衛まつり音頭」など舞踊奉納などを行っている。このほか近年では、嘉兵衛の古里・淡路島の特産品フェアも開催してきた。
今年の開催に当たり5月下旬に実行委を開催したところ、景気低迷により協賛金収入が年々減っている上、震災の影響でさらに減少が予想されることや、実行委自体が弱体化し、中心になって祭りを推進していく企業が減少、事務局の引き継ぎも困難であることから、祭りの中止と実行委の解散が決まった。今後は嘉兵衛の顕彰についての形式を、関係有志と協議したいとしている。
高田屋嘉兵衛の7代目、高田嘉七さん(79)は「震災などを受け、時世がら、祭りの中止はやむを得ないと思うが、民間が中心となって行ってきたことにも問題はあったのではないか」と話している。
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