長江さん啄木の歌集出版
update 2011/6/7 10:13
国際啄木会会員で、八雲啄木会会長を務める八雲町本町の自営業長江隆一さん(72)がこのほど、歌集「帰って来た啄木〜100回忌に寄せて〜」を自費出版した。今年、百回忌を迎えた石川啄木(1886〜1912年)が今、函館に帰ったとしたら、何を語り、何を歌うかを長江さんの視点で詠んだ627首を収録。長江さんは「啄木の人生回顧、函館への思いを、時にはユーモラスを交えて詠んでみた」と紹介している。改行 長江さんは啄木の墓が函館にあることに興味を持ち、約30年前から啄木の人となりを中心に研究を始め、これまで、函館市文学館などで啄木について講演をしたこともある。
昨年7月、八雲啄木会で短歌の指導をする教材にしようと、さまざまなことを題材にして作品をしたためたところ、作家の新井満さんが啄木の墓参りをし、啄木と会話を交わした話を思い出し、「思えば、来年は啄木の没後100年。啄木に函館へ帰ってもらい、歌を作ってもらったらどうなるだろう」と考え、啄木に関する歌に切り替えた。今年3月までに約1000首詠んだという。同会会員から勧められ、本にまとめることとした。
歌集は全6章。人生を総括する「わが人生思いのままに駆け抜けし短かく終われど今は悔いなし」「我が歌のわかり易さが評価さるされどかの時軽視されたり」などの「我が人生」から始まり、函館時代を振り返り、現在の函館の様子を見た「函館の桟橋近くの倉庫群かの時のまま今も残れる」「今に聴く『昭和』といえるその時代(とき)にかの日を凌(しの)ぐ火災ありし日を」などの「北へ」に続き、「さすらい」「帰郷(1、2)」「上京」「東京追想」とまとめた。
長江さんは啄木の魅力について「日記をつけるような分かりやすい歌で、過去の概念にとらわれない、自分の世界を切り開いたこと」と話す。自身の本も日記調のようになっている。「私もほかの人が作らないような短歌で本にしたつもり」と笑顔で話している。
A5判並(15×21センチ)判、151ページ。150部を発行。希望者は長江さんTEL0137・62・2019まで。
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