極大粒大豆「タマフクラ」 枝豆に最適な収穫期を発見
update 2011/5/30 10:14
道立工業技術センター(函館市桔梗町)は、道南で普及が進む極大粒大豆「タマフクラ」を冷凍枝豆に加工する場合の大きさ、色、成分の特長を研究で突き止めた。成分ではタマフクラの魅力であるさっぱりとした甘みを出すマルトース(麦芽糖)の含有率が高いほか、大きさは開花後51日以降(さや厚13ミリ以降)が収穫に適している。加工メーカーだけでなく、農家が収穫適期を見極めるのに有力な材料となりそうだ。
2009年度から始まったブランド化を視野に入れた農商工連携による「たまふくらプロジェクト」の一環。10年度は、だるま食品本舗、同センター、渡島農業改良普及センター、道南農業試験場、JA新はこだて、生産農家が同プロジェクトに参加。メーカーが冷凍枝豆として良い製品を作るために関係団体がタッグを組んだ。
研究では、森町の農家で栽培したタマフクラを、時期をずらして収穫、枝豆に加工してそれぞれの大きさ、色、成分、加工適性の変化を調べた。
その結果、大きさは開花後51日以降で、さや厚が13ミリに達すれば、タマフクラらしいインパクトが出せることが分かった。これは官能評価で見た目の印象を点数化したところ、平均して51日以降が通常の枝豆より大きいとの評価を受けた。
色は、枝豆を色彩測色計で図った数値を基に黄化度(黄色く変化する度合)を計算。開花後45〜60日に収穫すると、鮮やかな緑色が保たれるが、60日以降は一気に黄色みが増してしまう。
成分は、枝豆で開花後日数による糖含量の変化を機械で調べたところ、マルトースは51日以降増えだした。タマフクラには甘みの強い砂糖の主成分スクロースも含まれていて、マルトースとスクロースの割合がほぼ同量なのに対し、市販品はマルトースがスクロースの半分程度しか含まれていない。タマフクラはマルトース含有率が高い丹波黒大豆の性質を受け継いでいるため、一般的な枝豆とは違う黒豆っぽい味を出す。
同センター食品技術科の清水健志主任は「開花後50〜60日ごろに収穫すると、タマフクラらしい特長を持った枝豆製品が作れる。さや厚が13ミリになれば、マルトースの量も乗ってきている。成果を生かし、農商工連携でブランド化を進めたい」と話している。
タマフクラは、道立中央農業試験場(空知管内長沼町)が京都の「新丹波黒」と道産の「ツルムスメ」の交配により2007年に誕生。収穫期は枝豆が9月、乾燥大豆が11月と晩生種のため、降霜が遅い道南に向くとされる。
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