南かやべ定置漁業協MELジャパン取得

update 2011/5/27 10:04


 函館市南茅部地区の南かやべ定置漁業協会(野村譲会長、11経営体19ヶ統)が、環境に優しい漁業を応援する「マリン・エコラベル・ジャパン(MELジャパン)」の生産段階認証を取得した。定置網として取得したのは全国初で、適切な水産資源管理に貢献していると評価された。付加価値を高め魚価の安定を図るとともに、加工流通業者による「流通加工段階認証」取得の呼び水にしたい考え。30日午後4時から、花びしホテル(湯川町)で認証証書授与式が行われる。

 MELジャパンは、国連食糧農業機関(FAO)のエコラベルのガイドラインに準拠した制度で、2007年12月に発足。水産資源と生態系の保護に積極的に取り組む漁業にお墨付き≠与えるもので、加工流通業者が「流通加工段階認証」を取れば、製品に水産エコラベルを付けられる。大日本水産会(東京)が事務局を務め、審査機関である日本水産資源保護協会(同)が認証。これまでの取得例は日本海かにかご漁業協会(ベニズワイガニ)など計6例。今回は摂津船びき網漁業協議会(神戸市、イワシ、イカナゴ)と同時に今月16日付で取得した。

 同地区は、古くから天然マコンブ産地として知られるほか、北海道大謀網(現在の定置網)漁業の発祥地として知られる。定置網は、沿岸に大規模な網を設置し、箱網と呼ばれる部分に誘導された魚を船で取り上げる漁法。待ち網°剿@と呼ばれ、乱獲をしないため自然に優しい。具体的には、サケの再生産用親魚確保のため海中還元期間を設けたり、網の目合いを期間により調整するなど独自の工夫を凝らしている。

 「将来的に消費者は安全性だけでなく、環境面からも商品を選ぶようになる」(南かやべ漁協)と判断、昨年9月に申請した。

 認証対象魚種はスルメイカやサケ、カラフトマス、ゴマサバ、マイワシ、マサバ、サンマ、スケトウダラの8種。

 野村会長(57)は「これまでは単一魚種を対象にした漁業が多かったが、いろんな魚種に対して認証を取得したのは画期的でうれしい。定置網が魚を取りすぎていない、資源管理ができる漁業だと証明された。認証対象魚種を増やし、定置網の伝統を後世に伝えていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社


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