富良野から善意1000冊/函館の市民有志、被災地に絵本送るプロジェクト

update 2011/5/20 10:23


 東日本大震災の被災地に絵本を送る函館の市民有志プロジェクトは発足から1カ月が過ぎ、19日現在、函館を中心に道内各地からの寄付は約1万5000冊に達した。18日には富良野市民2人が車に約1000冊を積んで来函。受け取った函館の関係者は「強力な味方。支援の輪がもっと広がれば」と話している。

 このプロジェクトは、被災地の子どもに絵本や児童図書を読んでもらい、心を癒やしてほしいと、函館の児童文学作家森越智子さんと絵本読み聞かせ活動をしている岸本和子さんを共同代表に4月から活動。市地域交流まちづくりセンター(末広町)など市内・近郊12カ所やホームページ(HP)などで寄付を呼び掛けてきた。

 富良野市から来たのは、同市でブックカフェ「チュプカ」を営む青木崇さん(34)と店員の藤原花梨さん(32)。函館での寄付活動をブログで知り「自分たちにも何かできるはず」と店頭やHPで地元住民に寄付を呼び掛けたところ絵本は次々集まり、4月中旬から1カ間で約1000冊に達したという。

 移動は約8時間掛かったと振り返る青木さんは「函館の関係者に会って直接届けたかった。富良野の善意を大切に、今後も寄付を募りたい」、藤原さんは「最終目標は子どもたちの手に届くこと。子どもの笑顔を思い浮かべながら頑張りたい」と意気込む。

 森越さんは「言葉にできないほどうれしい。本を通じた人と人とのつながりの可能性に喜びを覚える。協力者の思いは必ず被災地にも届くはず」と期待している。

 プロジェクトは、現地の知り合いや被災者からの声を受け、4月14日から絵本を被災地へ送っている。福島第一原発事故の影響で、別の学校の敷地を借りる小学校関係者からも配送依頼があるという。今後もボランティア40人と仕分けをしながら、引き続き寄付を募るほか、輸送費の募金も協力を呼び掛ける。問い合わせは森越さんTEL0138-32-6224。

提供 - 函館新聞社


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