桧山南部・市街地周辺、ヒグマの出没増加

update 2011/5/17 10:12


 【乙部】桧山管内南部では今春、市街地周辺でヒグマが出没するケースが増加。狩猟関係者は「ヒグマが人を恐れない傾向が強くなった」として、ヒグマを呼び寄せる家庭ゴミや農漁業廃棄物などの管理徹底が必要としている。

 乙部町では9日、花磯の民家近くに親子とみられるヒグマ3頭が出没。15日も2頭の子グマが豊浜の国道229号沿いの斜面に現れた。1頭はハンターが駆除した。ヒグマは人の様子を気にしながらも平然とした様子で餌を探すなどしていた。4月22日に上ノ国町小砂子に出没したヒグマも、パトカーのサイレンなどを気にせず国道脇から立ち去らず、町職員が爆竹を鳴らしてようやく追い払った。

 地形が険しく平地が少ない桧山南部は、ヒグマの生息域と市街地など人が活動する場が重なり合う。だが、高齢化でハンター人口の減少も続いており、狩猟関係者は「ハンターに追われる恐怖を知るヒグマが減った」とし、若いクマが、好奇心や餌にへの執着心から、市街地に接近する傾向が強まっているとみる。

 上ノ国町では4月、小安在の山林で山菜採りをしていた男性(63)がヒグマに襲われて死亡。江差署や桧山振興局は、入山時には人の存在を知らせる鈴や笛を携行するなど対策が必要と指摘。民家周辺に置いた生ゴミや堆肥を作るコンポスト容器、農漁業に伴う廃棄物が、ヒグマをおびき寄せる原因にもなるとし、管理の徹底を求めている。

提供 - 函館新聞社


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